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知っておくだけで大違い 効き目を最大限に活かすクスリの飲み方(2)

 ではここで、疾患についての“魔の時間帯”を見ることにしよう。

●急性心筋梗塞、狭心症など虚血性疾患
 自律神経が副交感神経へスイッチする午前4〜6時の間は、心臓の脈拍数や血圧が急上昇するため、心臓への負担大きくなり、不整脈が起こりやすい。ピークは目が覚めてから2時間以内に起こることが多い。その次のピークは夕方だ。

●気管支喘息
 朝4〜5時という朝の目覚め前に発作が起きる事が多い。気管支の太さが夜眠ると細くなり、明け方が最も細くなる。明け方は免疫力が衰えている上、気管支粘膜の過敏性を刺激する朝の冷たい空気も引き金になる。就寝前に発作を抑える薬を飲むと効果が出る。

●胃潰瘍
 胃酸の分泌は夜間高まるため、胃潰瘍も夜中に出来やすい。夜中に食べると更に胃酸の分泌を高めることになる。潰瘍の薬は、夜服用した方が良いということになる。

●脳梗塞
 心筋梗塞と同じように、脳の血管が詰まるために起きる病気。心筋梗塞と同様、早朝から午前中が起きやすい“魔の時間帯”といえる。

●ガン細胞の増殖
 細胞の増殖やホルモンの分泌など、体の代謝が最も活発になるのが睡眠中。昼間傷ついた細胞などを整備する時間帯で、ガン細胞もこの時に増殖する。ただ、残念ながら有効な治療法が少ない現況にある。しかしドキソルビシン、シスプラチンの抗腫瘍薬を投与時刻を考慮したスケジュールで治療したところ、有効データが確認されており、今後に期待される。

 薬の正しい飲み方として、一般的には、体内の目的の場所で最も薬の効果が発揮されるように、薬は形状や飲む時間帯と間隔、量などが工夫されている。そのため、「1回2錠、1日3回食後30分以内に水またはぬるま湯で飲む」など、定められた用法、用量をきちんと守って服用することとされている。

 ほとんどの罹患者は、飲み方や、注意書きを読んで忠実に実践してきているはずだ。ところが近年、治療に用いる薬物治療の効果を高めることが可能になる1日の中で、最も適切な投与時刻を設定する必要性がクローズアップされつつある。
 「薬の効果的な投与時間や投与方法を選べば、副作用が少なく、効果が高い治療が期待できる。ですから新たに生体リズムという観点から医学を見直さなければならなくなってきたといえるでしょう。薬の効き目はいろいろな要因で左右されますので、一概には言えませんが、薬を処方する医師もこれからは食後3回といった固定した考えではなく、体のリズムに合った有効時間を選ぶ姿勢に方向転換していくようになるでしょう」(日本薬学会関係者)

 しかし大事なことは、患者が勝手に飲み方を変えるのは危険ということ。「この時間帯なら効き目がある」といった自己判断は絶対にやるべきではない。医師や薬剤師に相談してから服用することが肝要である。

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