「金子の家族が神戸での生活を気に入っており、東京への転居に強い抵抗感があるそうです。いまのオリックスは本気で優勝を目指しており、残留となればそれ相応の昇給も期待できます」(在阪メディア陣の1人)
巨人以外にも、阪神、ソフトバンク、DeNA、楽天あたりは、金子争奪戦への参入が確実視されている。しかし、ここに来て「巨人の本命は金子ではない」という情報も飛び込んできた。
「中日の山井大介(36)、日本ハムのセットアッパー・宮西尚生(29)も国内FA権を取得しました。西武の正捕手である炭谷銀仁朗も、森友哉の台頭で身辺が騒がしくなってきました」(プロ野球解説者)
今季の巨人は先発スタッフの頭数が揃わず、中継ぎの久保裕也を臨時ローテーション入りさせ、救援陣も薄氷の継投が続いている。先発投手としての実績がある山井、7年連続50試合登板を果たした鉄腕の宮西。この両名に触手を伸ばしていたとしても不思議ではない。
「山井が本命だとも伝えられています。金子との相思相愛が磐石だから山井の調査も始めたのか、それともライバル球団とのマネー戦争に二の足を踏んだのか…。金子残留説もマンザラではないようですし…」(同)
しかし、山井は来季で37歳を迎える。今季後半戦は低迷する中日の先発ローテーションを支え、昨季もノーヒットノーランを達成しているが、故障も多く、これ以上の数字は上積みが期待できない。
「原辰徳監督を始め、巨人スタッフの“落合アレルギー”はハンパなものではありません。今年は(対戦成績で)勝ち越していますが、来季以降に備えた陽動作戦の意味合いもあるのでは」(球界関係者)
金子オリックス残留説の理由の一つになっている、生活拠点を移したくないとする家族の意向。これが強ければ、移籍するとしても在阪の阪神有利という見方も強まってきた。ならばと、巨人は金子を逸したときの保険をかけ始めたのだろう。また、山井はFA宣言した際の保障金額が割安に済む、ランクBに相当するので獲得に踏み切りやすい。まして、落合GMは「FAは個人の権利」と位置づけて自身もそれを行使した経験がある。監督時代にFA退団した選手も出たが、それを球団間の駆け引きに使うことはしなかった。巨人としては「山井という2ケタ勝利投手を中日から奪ってしまえ!」という魂胆なのだろう。
「山井は故障も多いが、好不調の波が小さく、大崩れすることも少ない。山井がFA宣言するのなら、他球団も放っておかないでしょう」(前出ベテラン記者)
中日では昨年以上の減額査定も予想されている。勝ち星数の増えた山井の昇給は確実視されている。だが、金子の出方次第では、先発投手山井の評価はさらに高まるに違いない。