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有名人マジギレ事件簿(23)〜「この野郎、バカにしやがって!」星野源を怒らせたスタッフ〜

 4月29日放送のトーク番組「サワコの朝」(TBS系)に、星野源がゲスト出演し、学生時代のエピソードや、音楽を始めたキッカケなどを明かした。その中で星野は、人見知りに関する持論を語り、世間から注目を集めている。

 星野によると、元々は内気な性格だったようだが、「20代の頃とか、よく『人見知りなんで』って言ってたんですよ。でも改めて考えると人と話すの好きだなって。じゃあなんで人見知りって言ってたんだろうと考えた時に、自分がコミュニケーション取るのが苦手で、昔から悩んできた。それで“人見知りってすごく良い言葉があるぞ”と、“なんて便利な言葉なんだ!”って思って『僕人見知りなんですよ!』って言ってたんだと思うんですよ」と『人見知り』という言葉を使い、コミュニケーションが苦手という事から目を逸らしてきたと明かした。しかしその考えは、年齢を重ねるにつれて変わり始めたという。

 「僕みたいな、本当は人好きなのに人見知りだって言っちゃうことは、相手に『僕人見知りなんで、なんか気を使って下さい』って言ってるのと一緒だなって。それってすごい失礼だなと思って。失礼だし、何様なんだって思ったんです、自分が。だから嫌われてもいいやって段々思えるようになってきて」

 星野はミュージシャンを目指していた両親の影響もあり、幼少の頃から音楽に触れる環境にあった。そして幼稚園の頃は、音楽に合わせてダンスをするような明るい子供だったが、小学生時代に遭ったイジメの影響などで、自分の殻に閉じこもるようになってしまう。しかしそれから友人の誘いで音楽や演劇活動を始め、徐々に内気な自分を変えていった。だが彼の感覚を大きく変えたのは、死を意識したという、2012年に患ったくも膜下出血だったのかもしれない。過去のインタビューでは、病気が再発し、2度目の手術を行って以降の心境に関して「いろいろ悩みすぎたり、考えすぎてしまう部分もあって。でも手術を受けて復帰してからは性格がかなり変わって、楽しければいいやって考えれるようになったんですよ」と語っている。

 また、エッセイでも以下のように述懐している。

 「数年前から、人見知りだと思うことをやめた。心の扉は、常に鍵を開けておくようにした。好きな人には好きだと伝えるようにした。ウザがられても、嫌われても、その人のことが好きなら、そう思うことをやめないようにした。『お前ウザいよ』と言われた幼いあの日から、嫌われないように自分の性格を歪め、そもそも人間が好きではないと思おうとしていたが、僕は人と接することが大好きだったのだ」

 現在では人と正面から向き合い、温和なイメージもある星野だが、過去にはスタッフに激怒したこともあった。ある日、ラジオ局で某番組のディレクターとすれ違った際、星野と一緒にいたレコード会社の営業担当が「星野源です。よかったら番組出演お願いします」と、彼を紹介した。だがディレクターは「ちょうど番組のジングル募集してるから、応募してみれば?」と、明らかに見下した態度で反応してきたという。その瞬間、星野は“この野郎、バカにしやがって!”と、心の中で強い怒りを覚えた。

 だがこれで引き下がる星野ではない。彼はその悔しさを創作に向け、星野源という名前を使わず、偽名で番組にジングルを応募したのだ。この応募は、レコード会社の人間すらも知らされていなかったという。そして、星野の怒りから生まれたそのジングルは、見事、番組で優勝を果たした。しかしすぐに正体は明かさず、2年後、ラジオ番組に呼んでもらった時に初めて、自身の作品だったことを明かしたのだった。この予想外のカミングアウトに、かつて星野に高圧的な態度を取ってきたスタッフは「ホントすみませんでした。そんなつもりじゃなかったんです」と謝ってきたという。

 怒りを表に出さず、その感情をクリエイティブに変えて発信した星野。音楽家以外にも、俳優、文筆とマルチな才能を発揮する彼だけに、今後も様々な表現で世間を驚かしていきそうだ。

【参考】
・「サワコの朝」(TBS系)2017年4月29日
・「嵐にしやがれ3時間拡大版」(日本テレビ系)2017年4月15日
・TV Bros. 平成27年5/9号
・いのちの車窓から(KADOKAWA)

(柴田ボイ)

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