「罪名は迷惑防止条例違反。いわゆる電車での痴漢です。こういった裁判は普段珍しくもないのですが、今回はただの痴漢裁判ではなかった。被告は埼玉県川越市に住む64歳の男ですが、なんと5年前に退職した元警視庁の生活安全部参事官だった。それほどの人物が、なんと女子高生の下半身を撫で回した疑いで裁判にかけられているんです」(司法記者)
同被告は昨年6月18日午後6時半頃、夕方のラッシュ真っ最中の時間帯に、東武東上線の電車内において、当時16歳だった女子高生の下半身を着衣の上から触ったとして起訴されている。池袋から成増駅の間に下半身を触ったとのことで、被害を受けたとされる女子高生から電車を降りるように言われたという。
成増駅に駆け付けた警視庁高島平署の署員に引き渡された後、任意で事情を聴かれていた被告。現役の頃は、多摩地区の警察署長や、痴漢などを捜査する生活安全部の生活安全特別捜査隊長も歴任していたという。捜査していた側の人間が捜査されるという事態になっているのだ。
東京地裁で開かれた初公判で被告は、逮捕当時と同じように『痴漢はやっていない』と否認を貫いた。
「1時間で予定されていた初公判は20分も経たないうちに終了し、次回は今年の1月29日。この日は何と、被害者とされる女子高生の証人尋問が行われることになっています。被害者と被告の言い分が真っ向から対立していますので、裁判は長期化する恐れもあります」(司法記者)
先々行われる被告人質問ではどのように身の潔白を証明するのか。裁判の行方に注目だ。