1月12日、阪神の藤浪晋太郎投手(20)は大阪府堺市の国際障害者交流センター(ビッグアイ)で、同市南区の成人式に参加した。
「主催側から『藤浪は来るのか?』の問い合わせが何度かあったそうです。警備上の理由もありますが、『藤浪に会いたい』と思う二十歳の女性が多かったためです」(関係者)
自主トレ中のため、阪神はギリギリまで「断言できない」と伝えていたそうだ。しかし、藤浪は同僚の北條史也とともに参列。2人は晴れ着やスーツ姿の同級生たちと式典に臨み、中学時代の恩師からのビデオメッセージを懐かしそうに見入った。
阪神と主催者もある程度は覚悟していたが、「写真、一緒にいいですか?」と歩み寄る女性は後を絶たなかった。藤浪は気さくに応じていたものの、テレ臭そうにはにかむばかり。この初々しい姿とマウンドで見せる雄姿は似ても似つかないものだったが、球団経営陣がこの機を逃すはずがなかった。
「藤浪グッズの営業戦略のヒントにもなったようですね。色をカラフルにするなど、女性向けのグッズも増やしていこう、と」(ベテラン記者)
阪神グッズの売上だが、1位は鳥谷敬(33)が長くその座を守ってきた。今回の残留は戦力としてもちろんだが、営業面でも大きなプラスとなったが、長く1位を守ってきたということは、その間に虎グッズは代わり映えしなかったことも意味する。藤浪グッズはルーキーイヤーから好評ではあったが、購入するのは主に男性。10代から50代まで幅広い層が手に取ってきたとは言うものの、80周年のメモリアルを飾る“目玉商品”には値しなかった。
「オフの補強で全敗し、ドラフトも有名どころを指名できませんでした。80周年を記念したグッズは製作されますが、補強に失敗しているので、選手の個人グッズで新たな商品は作られません」(前出記者)
そこで、“モテキ”が到来した藤浪のグッズをリニューアルしようというわけだ。
「藤浪は開幕投手の大役を務める可能性も高い。開幕戦は阪神主催ゲーム(京セラドーム)なので、グッズ売場のスペースも広く確保できます。開幕戦で勝てば、藤浪時代の到来も…」(前出関係者)
藤浪は春先の野球ニュースも独占するかもしれない。母校の大阪桐蔭もセンバツ出場が決まり、同校が勝ち上がっていけば、自動的にOBとして藤浪にコメントが求められる。「藤浪を営業の前面に」という戦略は間違っていないのだ。
開幕投手に選ばれれば、2回目の登板は4月3日の巨人戦。3回目は甲子園で広島と対戦する。対戦相手は、今オフに自主トレに同行して薫陶を受けた前田健太(26)となる可能性が高い。巨人を叩き、マエケンにも勝つとなれば理想的だ。
藤浪が今季のスタートダッシュに成功すれば、80周年も追い風となり、女性ファンどころか甲子園球場のライトスタンドを陣取るおっつぁんたちからも“モテモテ”になる。