東洋英和女学院4年生の笹崎里菜さん(22)は、2013年9月の日本テレビセミナーに数回出席し、文書で入社の内定を受けた。その後の14年3月、笹崎さんは日本テレビ側に「母の知人が経営する銀座のクラブで、3か月ほどアルバイトしていたことがある」と報告。この報告を受け、日本テレビ側は「ホステスのアルバイト歴はアナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」と一方的に笹崎さんに内定取り消し通知書を出した。突然の内定取り消しに対し、笹崎さんは、地位の保全を求めて裁判を起こしたのだ。
この問題は、日テレ局内でも、銀座界隈でも、職業差別だとして大きな話題になった。しかし、当の笹崎さんは入社試験の過程で昨年9月に提出した『自己紹介シート』に、ホステスのアルバイト歴を記載していなかった。本人の中にも自己紹介シートにホステスのアルバイト歴を書いてはまずい、という意識があったのではないだろうか。
裁判所で和解が成立し、笹崎さんは15年4月に日本テレビのアナウンサーとして入社することが決まった。日本テレビの広報・IR部は「当社は裁判所の和解勧告を受け入れることが最善と判断しました。今後は合意した和解内容を誠実に履行していく所存です」とコメントしている。
結果は明らかに日本テレビ側の負けだ。笹崎さんの代理人は「笹崎さんの門出を心から祝いたい」と無事に入社する権利を勝ち取れた喜びを話した。しかし、入社後も順風満帆になるだろうか。
「ウチの女性社員で、渋谷や銀座でホステスしていた人もいます。ただ、そういう人は営業とかスタッフ職で、表に出る仕事のアナウンサーではいないかな。ミス東洋英和に選ばれたぐらいの美人で、才能もあると聞いている。けど、和解して日テレに入社しても仕事はあるのかな。番組で使って見たいとは思うけど、上司が許可するかどうか。そう考えると、帳尻あわせの入社になりかねない。夏目三久アナのコンドーム騒動のときだって、看板アナだった夏目より、日テレとしての面子を取ったぐらいだからね。『会社の面子を潰された女子アナは使うな』と言いだしかねない」(日本テレビディレクター)
日テレとしては“青田買い”して内定させたくらいの逸材だったはずなのに、かなりこじれた入社になってしまった。そんな笹崎さんをテレビで観る日は来るのだろうか。