昨年の桜花賞馬が見違えるようなデキに仕上がってきた。レジネッタに一発気配がぷんぷん漂っている。
「あれだけの休養期間を挟んで競馬を使ったのが初めて。帰厩して順調に乗り込んでいたとはいえ、やっぱり1度使った上積みは相当大きいでしょう。もともとが叩き良化型だから」と藤原助手は笑みを浮かべた。
昨秋のエリザベス女王杯以来、5カ月ぶりとなった前走の阪神牝馬Sは5着。「外がよく伸びる馬場状態を内からよく追い込んできた」と、仕上がり途上だったにもかかわらず、着順以上に中身の濃いレースができた。それも出遅れながらだけに、改めて強さを示した格好だ。
昨年は春に桜花賞を制覇、オークスも3着と牝馬クラシックで大活躍。確かに昨年の年度代表馬ウオッカには一目置かなくてはならないが、それ以外には一歩もヒケを取らない実績、実力を持っている。
ただ、昨秋は秋華賞が8着にエリザベス女王杯が12着。一昨年9月にデビューしてから休みなく使われてきたせいか、完全にバテていた。そのためササ針をして完全リフレッシュ。ひと叩きして、GIの大舞台を迎えるという、復活へ理想的な道筋をたどってきた。
瞬発力とスピードが持ち味で、直線の長いコースのマイル戦がベスト。12番人気だった昨年の桜花賞では上がり3F34秒5の豪脚を繰り出して快勝。3連単700万円超えを演出したのは記憶に新しい。
馬体は、余裕のあった前走時で448キロ。馬格がそれほどあるタイプではないだけに、2キロ減の55キロで臨めるのも歓迎材料だ。
「とにかく、期待できるだけのデキになってきたので、久しぶりにこの馬らしさを見せてくれると思う」
最大の持ち味であるしぶとい末脚を生かせれば、打倒ウオッカ、そして2つ目のGI奪取も夢ではない。