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忍び寄る乗っ取り危機! 自動車業界再編の標的は インドの暴動が尾を引くスズキか 海外生産比率のあがらないマツダか(1)

 マツダ、スズキの周辺がにわかに慌ただしくなってきた。株式市場には「両社が買収の標的になり、世界再編の新たな台風の目になる」との不穏な観測さえ飛び交っている。

 火の手はパリから上がった。9月27日に開幕した『パリ国際自動車ショー』でイタリアの大手、フィアットのセルジオ・マルキオンネCEO(最高経営責任者)が、スポーツ車の開発で提携しているマツダへの出資について「我々にはあらゆる可能性がある」と語り、マツダ株の取得に意欲を燃やしたのだ。
 「実をいうと、これは記者団の“誘導質問”に答えてのことです。フィアットは去年、米ビッグ3の一角だったクライスラーを子会社化したように、事業拡大に意欲的です。ところが今年の5月、マツダとスポーツ車の開発・生産に向けた協議を開始すると発表した際には、マツダへの出資を明確に否定した。あの段階で本音を明かせばマツダが尻込みする。だから処女を装ったといえば話は早いのですが、一方で両社は水面下で業務提携の交渉を進めており、年内合意を目指している。それを察知した欧米メディアが『資本提携に踏み込んでグリップを強化するのだろう』と畳み掛けたのです」(業界関係者)

 一時期、マツダの33.4%の株式を取得し、筆頭株主として社長まで送り込んでいた米フォードは、自らの屋台骨が揺らいだことから実質撤退。いまや2.1%の出資比率にとどまって派遣役員は既に引き上げている。フォードの後ろ盾がなくなったのを機に、マツダには買収観測がくすぶっていた。その最たる存在が、かねてラブコールを送っていたフィアットだ。
 「フィアットが熱心なのは何もマツダだけじゃありません。もう10年ほど前から小型車を共同開発するなど二人三脚を演じてきたスズキに対しても激烈コールを送っている。ライバルのフォルクスワーゲン(VW)にガチンコ勝負を挑むには、マツダやスズキとの関係強化が欠かせないと本気で考えており、その分執拗なのです」(業界紙担当記者)

 イタリア人が情熱的なことは広く知られている。スズキとの関係にしても同様で、業界ウオッチャーはこんな話を披瀝する。
 「今年の5月、フィアットはインドのタタ自動車との関係を打ち切った。フィアットは過去6年間、タタのディーラー網を通じて販売してきたのだから大英断です。何がそうさせたのか、フィアットは誰もが納得できる理由を挙げていません。だからこそ『インドではスズキが存在感を誇る。そのスズキに擦り寄るための高等戦術ではないか』と詮索する声しきりでした」

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