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「カープ女子」「オリ姫」が席巻する球界新勢力図

 ほんの少し前まで“球界のお荷物”といわれた広島カープとオリックスの人気が急上昇している。それを示すように今年のオールスターゲームのファン投票では、広島勢が11人中8人、オリックスがDHを含む12人中5人を占め、ともにリーグトップに躍り出た。ペナント戦の成績通り実力の裏付けもあり、かつてのヤクルトのような組織票による選出ではない。
 筋金入りのプロ野球ファンには理解し難いだろうが、両チームを支えているのは『カープ女子』『オリ姫』と呼ばれる20〜30代の女性ファン。昨年、カープが16年ぶりにAクラス入りを果たしたのも、彼女たちがスタンドから黄色い声援を送ったのが奏功したといえる。オリックスもカープにあやかろうと、限定サービスを積極的に実施するなど養成してきた。

 そんな若き“プロ野球女子”が、ここにきてさらに急増殖している。サッカーのブラジルW杯でサムライブルーが惨敗したことも追い風になって、各球団とも女子サッカーファンのプロ野球への宗旨替えを図っているからだ。
 この分野ではリーダー格の広島は『関東カープ女子野球観戦ツアー』を実施。往復の新幹線代を球団が持つという異例のサービス企画だ。日本ハムの『女性限定シンデレラシート』は観客1人につき、ゆったりと2席分を用意。高級ブランケットやクッション、オペラグラスを貸し出している。横浜DeNAはスイーツ食品のサービスとTシャツ、ネイルケアセットのプレゼント。千葉ロッテも毎週水曜日に女子に限り内野席を1000円で販売、女子会も開いている。
 「阪神も『TORAKO(トラコ)』、巨人も『ガールズジャイアンツ』の名称で女性ファンサービスを始めたが、分が悪い。人気の両チームはおっさんファンでスタンドが埋まっており、女性ファンが仲間同士で入り込めるスペースがないのです。逆にベイスターズやオリックスなどは、いつでも女子会ができるほど観客席に余裕がある。空いているから選手への声援も届きやすい。かつての在阪パ・リーグ球団のようなガラガラの球場こそ、存在をアピールしたい彼女たちにとっては理想なのです」(スポーツ紙記者)

 ファンの高年齢化が進み、将来が不安視されていたプロ野球だが、思わぬところで視界が開けた。今、女性ファンをターゲットにした可愛らしいユニホームレプリカやグッズの売れ行きも絶好調だ。
 以前なら広島-オリックスの日本シリーズなど「できればご免こうむりたい」と願っていた球界首脳も、今や相当な期待感を持っているという。
 今季、球団創設80周年を迎えた盟主巨人の敵は、想定外のところにあった!?

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