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老朽化立ち退き問題で揺れる高架レトロ商店街『モトコー』

 昭和の名残がまた消えるのか。JR西日本が神戸市内で進める高架橋の耐震補強工事を受け、元町〜神戸間の「元町高架通商店街」に対し、店舗の退去要請があり、地元が揺れている。

 「元町高架通商店街」、通称「モトコー」は、元町駅ガード下から神戸駅までの約1.2キロに及ぶアーケード街。現在、その土地はJR西日本が所有しているが、そもそもの始まりは終戦直後の闇市にまで遡る。
 「三宮のほうはすっかり洒落た街になっていますが、その中でペコ(神戸の隠語)の雰囲気を残しているのは、あそこぐらい。古本や古着、中古電化製品を扱う個性的な店が軒を連ね、飲食店も小さな大衆店がほとんど。レトロな雰囲気に魅かれ、他府県から訪れるファンも多いんです」(地元記者)

 商店街関係者によれば、退去のタイムリミットは賃貸契約満了の来年3月。JRは工事終了後、通路幅や店舗面積などを見直した上でリニューアルさせる意向だという。
 「JRは再入居について“個別交渉”で応じるという。ただ、これに商店街振興組合の反応は様々。“老朽化は認めざるを得ない”と諦める人がいる一方、『追い出しでは?』や『もっと詳しい説明を求めている』との声も聞こえてくるんです」(同)

 一方、神戸市側は「JRは商店主らと丁寧、誠実に協議するように」と、静観の構え。このような動きに、地元関係者はこんな見方をする。
 「神戸駅寄りの高架下は家賃3万円でも入り手がなく、シャッター通りになってしまっている。それを隠れ蓑にして、違法物の取引に使われているとの噂まで出ているんです。実は、耐震より防犯上の問題が大きいのですが、古くからの権利関係などが入り組んでいるため、部分的に強く言うことはできない。だから、耐震補強を理由に一括で刷新させようというのが、市とJRの本音なのでは」

 今後の動きに注目だ。

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