気象予報士の佐藤大介氏が語る。
「今年はフィリピン近海の海水温が高く、その地域で上昇した空気によって偏西風が北側に曲げられています。中東を寒波が襲ったのは偏西風の大蛇行によって寒気が南下したからです。日本でもその影響で寒気が南下し、西に行くほど寒くなる見込みです。12月20日に東京の渋谷を雹が降るほどの寒さが襲ったのは、寒気が西から回ってきたためです」
'13年は高知県四万十市で国内史上最高気温41・0℃が観測されている。気象が激変している現状からすると、この冬に最低気温が更新される可能性は大いにある。2月には青森県の酢ヶ湯で556センチの積雪日本記録が観測されているが、日本海側に見られるこのような大雪が、首都圏を襲う可能性も否定できないのだ。
「東京は過去最高の積雪が1883年の46センチ、次いで1945年の38センチ、直近では'94年に23センチを観測している。今後、それを超えてメートル級の積雪を記録することがないとは言えないのです。しかし、ただでさえ東京は雪に弱い。ほんの10センチ積もっただけでも転倒によるケガ人が続出し、交通渋滞を招く。夏に高齢者が部屋の中で熱中症にかかり亡くなるケースが問題となりましたが、雪の日が続き外出困難となれば、今度は孤独死というケースも出てくるでしょう」(サイエンス記者)
大雪による被害で思い出されるのは、全国で死傷者500人以上を出した、1963年(昭和38年)の『三八豪雪』だ。
「偏西風蛇行で極東、アメリカ東部、ヨーロッパ中央部の3カ所に寒気が入り込む寒波を『3波型』といいます。三八豪雪も3波型で、この冬も同じく3波型。そのため長期にわたり日本列島に大寒波が襲いやすい状況になっているのです」(同)
今年の雪は甘く見ないほうがいい。