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競輪人国記 岐阜(4) デビュー14年目にしてライバル神山を初めて超えた山田裕仁

 実力はありながらタイトル獲りでは恵まれなかった山田裕仁(61期)。同期の神山雄一郎は技能組出身で、山田は適性組。ハンデはあったが、神山の方は平成5年9月に地元・宇都宮でタイトルを獲るや、史上3人目のグランドスラムを11年静岡・日本選手権で達成した。その差は開くばかりだった。

 山田は平成10年の青森・全日本選抜でタイトルは獲ったが、その後が続かなかった。しかし4年後の平成14年、山田は大ブレークする。1月の競輪祭で2度目のタイトルを獲ると、3月の立川・日本選手権を制覇、6月の高松宮記念杯は同県の後輩・山口富生(68期)に譲ったものの、暮れの立川グランプリを制した。
 神山が平成3年から平17年まで狙いつづけても果たせなかった競輪界最大のイベントをあっさり獲ってしまったのだ。まさに山田の時代が到来したと言える。すでに34歳になっていた。
 この年の獲得賞金額は2億4434万8500円。平成9年に神山が初めて年間獲得賞金2億円を突破した2億2857万1400円の競輪界レコードを破った。デビュー以来14年にして山田はライバル神山を降したのである。
 翌平成15年も山田旋風は吹き荒れた。旋風というよりも勝つことは当たり前になった感がある。まず1月の競輪祭を制覇、3月の平塚・日本選手権も連覇。6月の高松宮記念杯は小嶋敬二(石川)が優勝、山田は準決で落車棄権したが、小嶋にバンク内から「頑張れ」と声援を送ったエピソードもある。小嶋にとっても嬉しいGI初制覇だった。
 オールスターは村上義弘(京都)、全日本選抜は佐藤慎太郎(福島)が勝ち、いよいよ京王閣のグランプリ。山田は吉岡稔真(福岡)を抑えてグランプリも連覇した。この年も山田は2億円を超える賞金を稼いだ。
 2年連続してGP、GIを3回以上制覇したのは山田が初めてだった。3回制覇の記録は昭和26年の山本清治(大阪)から38年の高原永伍(神奈川)42年の平間誠記(宮城)62年の滝沢正光(千葉)そして平成7年と9年の神山雄一郎(栃木)に残っている。ミスター競輪の中野浩一(福岡)も鬼脚・井上茂徳(佐賀)も達成していない。
 平成17年から山田は調子を落としていたが、昨年はGIIとは言え観音寺ふるダビを(9)(3)(1)(1)で優勝した。まだまだまくりや追い込みに鋭さは残っている。
 当面の目標だった500勝も、ライバル神山の本拠地・宇都宮FI(完全V)で達成した。こうなれば、小田原GIIIが楽しみな限りだ。吉岡の先行を豪快にまくったこのバンクで、山田がどんな走りを見せてくれるのか。

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