「ケイコの動きがね。1週前がピリッとしなかったから」。確かに18日の追い切りは栗東坂路で800メートル53秒6、ラスト1Fは14秒5。重賞を狙うオープン馬にしては物足りない内容だった。
だが、フローテーションはこれまでも師の思惑をいい意味で裏切ってきた。期待すると走らず、気楽に見ていると好結果を出す意外性のあるタイプ。実際、3走前のスプリングSは11番人気ながら後のダービー2着馬スマイルジャックの2着に食い下がった。色気を持つより気楽に脚をためた方が持ち味が生きる。ここもツボにハマれば怖い存在といえる。
「ダービーではディープスカイと同じような感じで勝負どころから上がっていけた。あと100メートルで止まってしまったけど、内容は悪くなかった。距離も大丈夫だしね」
ダービーだから勝ちに行った。しかし、ここは思い切った“冒険”ができる。そう、スプリングSのように…。
【最終追いVTR】併走馬を1馬身前方に見ながらスタート。ゴール前では鞍上から右ステッキが3、4発叩き込まれたが、やや反応が鈍く、半馬身遅れ。いつもの鋭さに欠けた。