中国を訪れている(3月25日〜28日)金正恩氏は、
「韓国とアメリカが善意をもって我々の努力に応じ、平和実現のために『段階的で同時並行的な措置』をとるならば、非核化問題は解決に至る」
と語っているが、米朝首脳会談が実現し、非核化を協議した場合「イエスかノーか」しかない。それも即断を強いられるのは間違いない。
「ティラーソン国務長官や国家安全保障問題担当のマクマスター大統領補佐官を解任し、後任にポンペオCIA長官とジョン・ボルトン元国連大使という強硬派を充てるなど、トランプ大統領の強靭な決断力と行動力を目の当たりにした北朝鮮の金正恩氏は、ここにきて不安に駆られていることでしょう。『米本土を攻撃できる』とこれまで強がりを言ってきたものの、内心は米国との全面戦争になれば北朝鮮が終わることは百も承知。国は存続できるかもしれないが、三代続いてきた“金王朝”は地図上から消えることになります。そもそも米朝会談について、朝鮮中央通信や中央放送は一切報道していない。その理由を韓国統一部は『慎重に検討しているからだろう』とあくまで好意的ですが、最近の北朝鮮の情勢を見ると、トランプ大統領との会談に恐怖心を感じ始めているのではないか、と思えるくらいです。いろいろな理由を付けてドタキャンするかもしれません」(北朝鮮ウオッチャー)
クリントン、ブッシュ・ジュニア、オバマの歴代大統領は、知性主義者であるが故に北の非核化を実現できなかったが、反知性主義者のトランプ大統領は「完全で検証可能で不可逆的な非核化」を拒否されれば、対北戦争を宣言し、その直後にトマホーク数百発が平壌にブチ込まれるといった事態も考えられる。
「11月には中間選挙が控えていることもあって、トランプ大統領は外交実績のために北朝鮮への武力行使を躊躇しないかもしれません。3月13日に行われたペンシルベニア州の連邦下院補欠選挙の結果で、黄色信号が点灯しましたからね」(国際ジャーナリスト)
5月の米朝首脳会談はすべて“口頭ベース”で話が進んでいるにすぎない。どこで会うのか、何を議題にするのか、全く煮詰まっていない。
ひょっとするとトランプ大統領は、米朝会談の不調を開戦の口実にしようと画策しているフシさえうかがえる。稀代の偏屈王・トランプ大統領の次のツイートが大いに気になる。