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大バクチ パナソニックの大型投資が孕む身売り危機

 プラズマテレビからの撤退などリストラに明け暮れてきたパナソニックが、久々の大型投資にかじを切った。米電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズと共同で米国にEV向け電池工場を建設する。投資額は1000億円超で、2017年の稼動を目指す。
 この計画が明らかになると同社株は急騰。ところが「EVとしては世界最大規模の生産拠点」との触れ込みにもかかわらず、米国系証券のアナリストは「大バクチ」と冷ややかだ。

 理由は二つ。一つはテスラ自体が'03年設立のベンチャー企業で、昨年の販売台数が約2万台にすぎず、まだまだ販売力では見劣りすること。今年は3万5000台の目標を掲げるが、EVでは先行する日産の『リーフ』でさえ、世界累計でやっと10万台に届いたばかりである。
 「EVは原価に占める電池の割合が高い。もしテスラの販売が絶好調ならば、パナの見返りは大きくなる。ビジネスだからこれ自体は結構ですが、そうなると逆にパナのテスラ依存度が飛躍的に高まり、新興企業に首根っこを押さえ込まれかねない。これが二つ目の理由です」(同・アナリスト)

 テスラには野心的な計画がある。今回のパナソニックとの電池工場とは別に、2020年までに年間50万台のEVを生産する巨大工場を建設するとの構想だ。
 「タッグ成功ならズルズルと深入りする。成果が上がらなければ『今度は大丈夫』と持ち掛けられる。どう転んでもパナは大枚を拠出するハメになります。テスラ首脳は『いいカモをつかんだ』とホクソ笑んでいるに違いありません」(同)

 本業の電機機器で挫折を繰り返したパナソニックは今、自動車と住宅関連事業を将来の成長戦略の柱に据えている。しかし、全くの畑違いとあって絶えず失敗リスクが付きまとう。
 “大バクチに走ったパナソニックが身売り!”−−。そんなことが現実に起こるかもしれない。

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