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巨人の今秋ドラフト戦略迷走中 ドラフト1位は夏の甲子園の話題次第

 巨人スカウトは“祈るような心境”で、夏の甲子園大会(第96回全国高校野球選手権大会)を視察することになりそうだ。

 今夏の注目投手は“2代目二刀流”こと松本裕樹(盛岡大付/右投左打)。最速154キロ、通算本塁打数54の怪物ぶりはすでに伝えられているが、一部では大谷翔平以上とも評されている。
 「いい意味でふてぶてしい投手です。大谷は全力投球で剛のイメージもありますが、松本は柔の投手。70%の力で140キロ台半ばの直球を投げ、内外角ギリギリのところに変化球をコントロールできる。そして、得点圏に走者を背負ってからトップギアにスイッチしてきます。長打力は甲乙付けがたいが、松本は駿足です」(在京球団スカウト)

 だが、大会開幕前の報道はあまり盛り上がっていない。豪腕投手の安楽智大(済美)、昨夏V投手の高橋光成(前橋育英)が予選で散ったせいだが、スター不在は巨人のドラフト1位にも大きく影響しそうだ。
 「原監督は即戦力投手を1位指名してほしいと伝えています。内海、杉内の衰えが激しいからですが、巨人のスカウト陣は将来性を踏まえ、高校生投手を1位候補に推しています。安楽の右肘が完治しているのなら、原監督も納得すると思いますが…」(球界関係者)

 今年は早大の有原航平、法大の左腕石田健大、新日鐵住金かずさマジックの左投手加藤貴之など、社会人と大学に即戦力投手の逸材も多い。現場を預かる原辰徳監督(56)の気持ちも分からなくはないが、スカウト陣が高校生を推す理由は他にもある。“人気”だ。
 近年、パ・リーグは甲子園のスターを指名し、観客動員数を増やしてきた。松坂大輔に始まり、ダルビッシュ有、田中将大、松井裕樹らが該当する。昨季の阪神も藤浪晋太郎の獲得でグッズ売上げを大幅に伸ばしている。
 「松坂、田中、藤浪、大谷は1年目から一軍で活躍しています。2、3年掛けてジックリ育てた方がいい逸材もいますが、プロに近いレベルに到達している高校球児もいないわけではない」(前出スカウト)

 しかし、今夏は状況が少し異なる。先の松本がそうだが、『即戦力系の高校球児』は全国的には無名に近い。安楽は知名度もバツグンだが、右肘の回復具合は不透明だ。大学、社会人の投手を1位指名する原監督の意見に傾きつつあるようだが…。
 「松本や富山商の左腕森田駿哉、日本文理の飯塚悟史らが順調に勝ち進み、その実力にスター性が加われば、巨人スカウトは原監督を説得できると見ています。有原のようなエースの風格を秘めた投手も欲しいが、人気面を考えれば、大学生よりも甲子園スターなんです」(前出関係者)

 野手にも通算73本塁打の岡本和真(智弁学園)、脇本直人(健大高崎)など、将来性豊かな球児がいる。いずれにせよ、甲子園の結果次第で巨人の1位候補は大きく変わりそうだ。

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