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麻薬はなぜ“魔薬”なんだろう(モルヒネ・コデイン)

 末期がん患者に鎮痛剤として処方されるモルヒネ。
 モルヒネはアヘンの子供であり、咳止め薬として使われるコデインの兄弟ともいえる。
 またヘロインの母でもある(モルヒネ+塩化アセチル=ヘロイン)。
 名前の由来は、ギリシャ神話の神モルフェウス(眠りを司る)から付けられている。
 その名の通り、中枢神経を刺激し、眠りを誘い、強力な痛み止めとなる。
 19世紀中ごろ、注射器が発明されてから、モルヒネの皮下摂取が流行した。
 モルヒネを皮下注射すると、すべての苦痛が取れて、体全体から力が抜ける。
 知的興奮に包まれて、陶酔感が自分を包み込む。
 そして、そのまま眠りに落ちるのだ。
 急性中毒では深い眠りに落ち、危険な状態になると、呼吸さえ止まり窒息する。
 禁断症状としては、強い不安、吐き気、不眠、イライラなど虚脱感。
 皮膚がかゆくなる。口の中が渇く。起立性貧血。便秘(下痢を起こすこともある)。
 モルヒネは毒性が強く、光沢のある、針のような結晶。
 臭いはなく苦い。
 慢性的な中毒になると、瞳は委縮して性機能は減退する。
 しかしモルヒネは、なくてはならない薬である。
 この“魔薬”でしか忘れることのできない痛みを抱える、救うことができない患者が存在するのだから。

 コデインは、別名「メチルモルヒネ」という。モルヒネの弟といえる。
 今年は咳の症状の強い風邪が流行ったため、咳止め薬を買った人もいるだろう。
 コデインは咳止め薬として、あなたのそばにあるかもしれない。
 コデインは薬局で誰でも買える“魔薬”なのだ(日本では低濃度のコデインを薬局で購入可能)。
 その正体はモルヒネと変わらないのである。魔薬としての作用は少ない。
 ひと昔前ではあるが、コデインが大ブームになったことがある。
 コデインを含んだ咳止め薬を一気飲みすることで、トリップすることができるのだ。
 薬と魔薬は表裏。コデインを適量を超えて摂取すると中毒になる。
 手軽だからこそ、恐ろしい薬である。

(立花花月 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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