みなさん、お元気ですか、アベコーこと阿部幸太郎です。私たち人間は、ある強烈なものを目の前で見ると、その残像が永久に近いほど残ってしまう、ということがいわれています。
昨年のダービー馬ウオッカ。牝馬による64年ぶりの栄誉。牡馬陣を3馬身も蹴散らす衝撃的な圧勝劇。芝2400m2分24秒5の好タイムで駆け抜け、ラスト3Fが33秒0。神業的な内容でした。
ところが、ウオッカは競馬史上に残るパフォーマンスを演じながらほとんど間を置かず宝塚記念に出走。これにはまた驚き。凱旋門賞に挑戦というスケジュールを発表し、なぜ、宝塚記念?ダービーで激走した疲労は絶対にあるはず。それでも勝てるという判断か。たとえ善戦しても今度は疲労が倍になってウオッカにのしかかってくるかもしれないのに…。ダービー以来、現在までウオッカが勝てないでいる要因は、この無謀とも思えた宝塚記念出走にあると考えています。
ウオッカは先週の木曜の検量で482キロだったそうです。ダービー出走時の馬体重と同じ。これは予想外に回復が遅れている印象。ドバイに遠征してから1カ月半。帰国し重なる検疫。東京は間違いなくベストコースですが、体調の面でやや疑問が残り▲印としました。
で、ニシノマナムスメに期待しました。というのもマイル適性が抜群。4戦2勝、2着2回。それもそのはず、母が桜花賞独走のニシノフラワー。アグネスタキオンとの配合で、これまでの兄弟たちよりもスケールアップ。昨年2月のエルフィンSでウオッカの2着した当時と比べても、見違えるほどの成長力を見せています。
そのいい例が前走のマイラーズC。優勝馬は安田記念の最有力候補で名マイラーのカンパニー。この馬の直後で展開してゴール寸前で外から猛然と肉薄。結果はクビ差届かず。とはいえ、前日の雨で脚が取られるような馬場コンディション。のめりながら自己ベストの芝1600m1分33秒6、ラスト3F34秒1は立派です。「パンとした馬場ならもっと切れた」と吉田隼騎手。おそらく日曜の東京は良馬場。フラワーの仔による初のGI制覇、大いに楽しみです。