これは全国の私鉄73社が加盟する日本民営鉄道協会が毎年調査し、年末に発表しているもので、やり玉に挙がったのがリュックサックだ。しかも首位に挙げた人の割合も過去最高の37.3%を記録した。
これを受け各鉄道各社は、リュックを前に抱えたり、網棚に上げたりするようポスターや車内放送などで呼び掛けている。
「リュックは学生カバンの代用やアウトドアで使うものというイメージでしたが、00年初頭から背負うこともできるブリーフケースの登場や『クールビズ』の影響、健康志向の高まりにより、仕事場のドレスコードが緩和されたことが影響し、ブームになっています。スマートフォンの大型化で両手を空けておきたいという需要の高まりも背景にあるでしょう。今やビジネスシーンでは当たり前になりました」(エンタメ誌ライター)
かばんメーカー『エース』でもここ数年、ビジネス用リュックの売れ行きが急増し、昨年の販売個数は10年の約9倍を記録したという。昨年は電車内で邪魔にならないリュックを発売し、好調だ。
リュックといえば、ワインボトル2本がクロスするマークに『anello』(アネロ)と刻まれたキャロットカンパニー社のブランド製品が全アジアで大ヒットしているという。人気の理由は圧倒的なコストパフォーマンスの良さだ。メーカー希望小売価格で4500円台という安値なのに、丈夫で荷物がたくさん入り、大きなポケットが付いていて収納しやすい。本体の重量は500ミリペットボトル1本より軽く、肩ひもや背当てにはしっかりしたパッドが入っており肩に食い込まない。
「5000円以下のカジュアルバッグは年間1万個売れれば大ヒットとされますが、アネロ製のものは14年11月の発売以来、累計で600万個以上を売った“お化け商品”です」(同・ライター)
リュックがアジア全域で車内迷惑行為第1位になる日も近い?