スピードスケート金メダリスト・清水宏保氏のことである。
今度、衆院選立候補を決めた清水氏だが、その噂は10〜11年頃から流れていた。同氏が、11年4月からテレビ中継の解説や『モーニングバード!』(テレ朝系)のコメンテーターに突如変身したからである。この時点で、参議院議員として活躍する橋本聖子と同じ路線を歩むとみられていた。
番組ではなにかにつけて難解なスポーツ学の専門用語を口にしていた清水氏だが、やはり出馬のためのイメージアップを狙っていたことは間違いなかったのだ。
今回出馬するのは、鈴木宗男氏が代表の新党大地・真民主から。
「金メダリストでも、清水氏は名前の忘れられた存在でした。そこで鈴木氏や清水氏が以前CM契約でマネジメントをした大手芸能プロがバックアップに動き“賢者”の顔に変身させたのです。コメンテーター業は、選挙用に名前を売るには十分な効果を果たしたといえます」(芸能界事情通)
今回の出馬で問題視されているのは、テレ朝のワイドショー枠の役割である。
現千葉県知事である森田健作氏が、かつて司会をつとめたことがあった。91年に放送されたテレ朝系『森田健作の熱血テレビ』、『女38歳気になるテレビ』がそれで、森田氏は翌年参院選に立候補して見事当選し、政治家デビューしている。
こうしてみると、テレビは立候補を目論む有名人に利用されている感がある。だからこそレギュラーをもつ文化人やタレントは、選挙があることが発覚しても、最低1年は立候補できないことにすべきだろう。
今後、代議士のセンセイ方はお笑い関係か文化人で占められてしまう怖れがある。テレビがおかしくなったのも、そうした売名用と化したせいだろう。
テレビは早期にガイドライン、もしくはルールを作るべきである。