「皐月賞前までは勝っても感覚の割りに伸びなかったり、何か物足りなさがあった。でも、前走は今までにない伸び脚で違った面が出た。負けても十分に収穫のあるレースだった」と鞍上の安藤勝騎手は最速の上がりを駆使した豪脚に納得の表情を浮かべる。
鞍上同様、トレーナーも同馬への信頼感が増した。
「トライアルからずっとワンランク上のギアを探し続けていたけど、それを持っていることが前走で証明できた。もちろん、これまで以上の期待を持ってダービーへ挑める」と松田国調教師は皐月賞以上の自信で本番を迎える。
今朝(23日)は安藤勝騎手を背に、例によって坂路で追い切られた。伸び伸びとしたフォームで併走馬に余力を持って先着。馬体もほどよく締まっており、態勢は整った。
1998年のスペシャルウィーク(皐月賞3着)、99年のアドマイヤベガ(皐月賞6着)、2001年のジャングルポケット(皐月賞3着)…豪脚を駆使しながら、中山2000m戦の舞台設定に泣いた差し馬が、ダービーで雪辱したケースは数多い。もちろん、同馬が前走で見せた脚も東京2400m戦の舞台にかわって最大限の威力を発揮する。
「皐月賞の脚を見ると、直線の長いコースの方がいいと思う。中団に位置して前回のような脚を見せたい。僕自身は皐月賞以上の手応えがあるし、勝つことを信じて乗る」
捜し求め続けていたワンランク上のギア。強力な末脚と強固な自信を胸に、反撃の舞台に立つ。