現在の松本正之会長(元JR東海社長)の任期は来年1月に切れる。そのため、水面下で次の人選をめぐるアングラ運動が始まっているのだ。
背景は、松本会長ら民間出身経営者が2代続いているため。松本氏の前は、アサヒビール社長、会長をつとめた福地茂雄氏。
NHK会長は1期3年で交代するが、福地氏の前は、島桂次、川口幹夫、海老沢勝二、橋本元一という内部実力者が4代続いた。
だからだろうか、トップが民間出身者ではやりづらい、という政治部記者の声は少なくなかった。そのため、内部から次は“NHK生え抜き”を望む声が強くなっている。
問題の会長人事だが、次は誰か。
松本会長の続投も考えられるが、安倍晋三首相人事というよりも、菅義偉官房長官人事で、内部のプロパー出身者が有力候補として挙がっている。
「安倍首相と直接電話ができるとされる、諸星衛NHKインターナショナル経営特別主幹の名前が浮上している。元報道局長で、“エビジョンイル”こと海老沢氏の側近でした」(NHK政治部関係者)
拮抗するのが、松本会長の続投を支持するJR東海派。
「ドンは葛西敬之会長ですよ。葛西氏は安倍総理の人脈をまとめる『四季の会』、『さくら会』の幹事役。松本会長を押し込んだように実質的にNHKを牛耳っている。だから、松本会長を続投させるか、JR東海周辺から“次”を出したいところです。ただ最近、経営委員長にANA総研会長の浜田健一郎会長が再選されたため、航空業界からの推挙があるかもしれません」(一般紙NHK担当記者)
もうすぐ本格的な会長人選の季節に入るが、怪文書が飛び交うのは必至か。