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“昭和の大横綱”北の湖さん死去で始まる混沌! 貴乃花も狙う“次期理事長”争奪戦(1)

 日本相撲協会の北の湖理事長が11月20日、直腸がんと多臓器不全のため死去した。62歳だった。
 現役時代、相撲ファンからは「憎らしいほど強い」と言われ、力士仲間からは「大将」と慕われた北の湖。15歳で幕下、17歳で新十両、21歳で横綱に昇進という出世ぶりは、まさに“怪童”だ。
 元力士が言う。
 「白鵬の場合は35回優勝という大記録を打ち立てたが、ライバルがいない。しかし北の湖さんには輪島がいて、その後、千代の富士に至るまで次々にライバルが出現した。そんな中での24回優勝というのは、どエライ記録です。気は優しくて力持ち。それでいて、他人と自分を比べるのではなく、目標を己に課し、ひたすら研鑽するタイプでした。顔だけ見ると、いかつい感じがしますが、力士仲間の評判はとても良かったんです」

 ファンは土俵の外に転落した対戦相手に手を差し伸べようともしない北の湖の姿を見て、「武士の情けはないのか」と反感を持った。
 「自分が手を差し伸べられたら屈辱を味わう。だから対戦相手に手を差し伸べることはしないと言い放った。それはそれで潔いと思いますよ」(ベテラン相撲記者)

 輪島とは、しばしば熱戦が繰り広げられた。両者の対戦は、千秋楽優勝圏内での対戦が8回、水入りが3回と、ファンを唸らせる名勝負が展開されたのだ。
 相撲評論家の中澤潔氏がこう振り返る。
 「僕はね、北の湖には数字に表れない、双葉山に匹敵する強さがあったと思いますね。横綱としての安定感は抜群でした。'75年の秋場所から37場所連続して二桁以上の勝星を挙げていた。2年前についに白鵬が並びましたが、日本人力士でこんな記録はもう二度と出ませんね」

 加えて、出羽海一門のさる元力士が言う。
 「一門の関取衆を相手に50〜60番稽古をするのですが、まさにちぎっては投げ、ちぎっては投げという感じでした。もう、誰も通用しない。凄いのは、それだけ稽古しても息が上がらないところでしたよ」

 遊びっぷりも、豪快そのものだったという。
 「当時流行ったパブに下の力士と繰り出して、とにかくガンガン飲む。凄いのは、勘定になるとバッグから100万円くらい入っている分厚い財布を出して、テーブルにポーンと放り投げる。とにかく粋でした」(前出・元力士)

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