が、どうやら「画家になる」という夢は捨てていなかったようだ。
2017年10月13日、障がい者の芸術文化支援を目的とするアート展「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー」に作品を出展していたことが判明。公式サイトには、香取本人のコメントや作品についての解説が掲載されており、「人生のように、いい時もあれば悪い時もあるけれど、最後には『OK!晴れました!』という絵を、僕は描きたいのだと思います」など、これまでの騒動や現在の様子を思い起こさせる、前向きかつ意味深なメッセージも見られた。
また今回は「タレントの香取慎吾さん」ではなく、「作家の香取慎吾さん」として紹介されている。
これまでも自身の作品を何度か披露してきた香取だが、ジャニーズ事務所退所をキッカケとして、本格的なアート活動に励もうと考えているのかもしれない。
今回のニュースが報道されるや否や、ファンからは「嬉しい」「おめでとう」「頑張れ」など、賞賛やエールの声が相次いだ。
何にも縛られず、伸び伸びと活動し、真っ直ぐな心で前進しようとする姿は、ファンならずとも喜ばしく微笑ましい。
しかし、香取の「生き方」や「行動」ではなく、あくまで「作品」に関してだけ注目すると、必ずしも素晴らしいとは言い切れないだろう。
熱狂的なファンとしては、つい手放しで高評価をしたくなるかもしれない。
が、例えば無名の人間が同じ絵を描いたとして、果たしてここまで注目を集めるだろうか?
もちろん、香取の作品には、強烈な個性や独特の雰囲気が感じられる。ファンだからという贔屓目ではなく、純粋に香取の作品を評価する者もたくさんいるだろう。
とはいえ、やはり少なからず「香取慎吾」という付加価値がついてしまうのは否めない。過去に香取の作品が話題になった際にも、「描いてる人の名前で値段が左右される」「有名人が描いた絵というだけであって絵そのものの価値はないからな」など、辛辣かつ現実的な声が飛び交っていた。
もっともこれは香取に限らず、多くの有名人にも同じことが言える。それこそ、香取と同じ元SMAPのメンバー・木村拓哉の妻、工藤静香もそのうちの一人だろう。
「タレント」ではなく「作家」として紹介された香取だが、やはり香取が香取である以上、作品以外の価値が付いて回るのは致し方ないと言えそうだ。
「作品」のみで純粋に評価されない宿命――。
それはひょっとすると、香取本人にとっても不本意なことかもしれない。