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駆け込みトレード期限終了間際 日本人選手は戦力になれず?

 7月31日。この日はMLBの各球団フロントが目の回るような忙しさに見舞われる日だ。 メジャーリーグの慣例では、優勝戦線から脱落したチームはシーズン中でも早々に来季に向けた戦力編成に入る。下位チームは高額年俸のベテラン、今季限りで複数年契約が切れる慰留不可能と判断された主力選手などを放出し、交換要員として有望な若手選手を獲得する。対照的に、優勝圏内にいるチームはピンポイントで弱点を補強し、終盤戦を少しでも優位に戦おうとする。そんなシーズン途中のトレードが可能な期限が7月31日までであり、この時期に移籍する選手はペナントレースの行方を左右すると言っても過言ではないのだ。 「ドジャース、ブルージェイズ、ナショナルズなどのスカウトが、岩隈久志の登板を見ていました。岩隈のいるマリナーズはワイルドカード争いでも7ゲーム差の10位や11位というところ。岩隈が駆け込みトレードの標的にされる可能性もありましたが、具体的なアクションはありませんでした。今回、日本人メジャーリーガーはトレード市場からは完全に蚊帳の外状態です」(現地特派記者) 2011年に上原浩治(40)がこの時期のトレードを経験している。オリオールズからレンジャーズへ移籍し、レ軍のポストシーズン進出に貢献した。今季も駆け込みトレードの標的は主に投手のため、上原や田澤純一の動向にも注目が集まると思われた。だが、レッドソックスは苦戦が続いているものの、プレーオフ進出を諦めていない。上原と田澤を手放さないとの見方が支配的で、唯一の可能性が伝えられていた岩隈も前述の通りである。しかも、岩隈に関しては、 「マリナーズのジャック・ズレンシックGMは慎重すぎる性格なので、他球団はトレードを申し込みにくいと見ています」(同) そんな慎重すぎるGMの性格を物語るエピソードがある。現マリナーズは外野守備に難があり、一番打者を任せられる選手も欠いていた。そこへ、6月28日付けシアトル・タイムズ紙が〈短い期間に限定し、イチローを呼び戻すべきだ〉という記事を出したのだ。たしかに、イチローがヤンキースに移籍した12年7月以降、マリナーズは一番打者を固定できていない。さらに同紙は、イチローを呼び戻すべきか否かという緊急読者アンケートを行い、68.59%がYESの回答だったとも掲載している。慎重なGMを動かすため、「地元ファンも臨んでいる」とトレードを訴えたわけだが、実現には至らなかった。 「ズレンシックGMはパワー重視の打線に舵を切ったため、指名打者タイプばかりの打線になってしまいました。当然ながら守備難や失策による失点が増えています。しかし、ここでイチローを呼び戻せば、自身の判断が間違っていたことを認めたことになる。ズレンシックGMのメンツが邪魔をしたという面もあったようです」(米国人ライター) マーリンズもイチローを残留させる方向ではあるが、「交換要員次第ではどうにでもなった」(同)という。ひょっとしたら、岩隈を放出しないのも、「ローテーション投手喪失後の若手起用」の度胸がなかったからではなかろうか。 この時期のトレード市場に日本人メジャーリーガーの名前が出ないということは、同時にポストシーズンに誰も進めない可能性が高まっているということになる。

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