「この白鵬、毎年のように自分にとっての今年の漢字を創作し、去年は、ノビノビと豊かな気持ちで相撲が取れたので『豊』という字を挙げている。『夢』も大好きで、連勝記録を63まで伸ばした平成22年には、夢を掴むために心でがんばった、運も大事だった、として、『夢』『心』『運』の3文字を挙げました。'14年はまさか5回も優勝できるとは思わなかったでしょうから、文字通り夢のような一年だったんじゃないでしょうか」(担当記者)
しかし今後は決してバラ色というわけではない。白鵬は'15年3月で満30歳になる。肉体的にピークを過ぎているのは明らかで、このことは今年の優勝決定がすべて千秋楽までもつれ込んでいることでもわかる。
全勝優勝も'13年の夏場所が最後。先場所も11場所ぶりに高安に金星を与えた。もう数年前までの爆発的な強さは影を潜めてきているのだ。
「不安材料はいくつもある。稽古量が少なくなってきているし、土俵態度も悪くなってきた。九州場所でも無用なダメ押しをして審判部から師匠を通じて厳しく注意されている。また、師匠の言うこともあまり聞かなくなってきているので、自爆する恐れもある。まわりとの実力差は着実に縮まってきており、これまでのように優勝するのは無理でしょう」(協会関係者)
12月10日、豪華客船『飛鳥II』で相撲協会がタイアップした2泊3日のクルージングを楽しんだ白鵬は、「まるで映画の世界のようだった」と感想をもらしたが、映画の世界も、夢も、永遠には続かない。新年は厳しい年になるのは必至だ。