9月2日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。阪神は和田豊監督(52)の続投を基本路線としており、「同監督の意向も確認してから」と“最終決定”ではない旨も伝えていたが、別の意味でも、掛布DCがキーマンとなるのは間違いない。
「掛布DCとフロント要人が話し合っているのは、背番号31の後継者です」(球界関係者)
“トラの31番”は、現在空き番号になっている。昨秋のドラフト会議後、2位指名の横田慎太郎外野手(19)に継承させる案も出たが、入団会見前に桧山進次郎氏(現解説者)の付けていた24番に変更された。
「31番は掛布DCのイメージが強く、31番は内野手、横田は外野手だから、桧山氏の付けていた24番の方がいいということになって」(在阪記者)
といったように、意図的に避けさせたとの情報もある。
掛布DCの引退後は、萩原誠、広澤克実、濱中おさむ、林威助の4人が栄光の31番を継承したが、誰も目覚ましい活躍は収めていない。横田に、「31番は出世しない」というジンクスまで継承させたくなかったからだが、この解釈も変わりつつある。球団要人が掛布DCに「31番の後継者を自ら決めてくれ!」と勅命を下した。直接の継承劇で後継者を人気選手にしようとも考え始めたのだ。
「掛布DCが買っている若手は、内野手だと北條史也(20)。それに伊藤隼太(25)、緒方凌介(24)の左打者にも一目置いています」(プロ野球解説者)
しかし、北條の背番号は2。わざわざ一桁から二桁の背番号になれば、降格したというイメージになる。伊藤、緒方は一軍と二軍を行ったり来たりしている状態で、伊藤は3年目、緒方は2年目。「これから売り出す」という点では適任かもしれないが、マートン、大和、俊介、福留とのレギュラー争いに勝てなければ、31番の重圧に潰されてしまうだろう。
「ドラフトで左打ちの好打者が指名できれば、自動的に31番の後継者になるでしょう。この時期、31番の後継者を誰にするかという話が出るのは、掛布人気をグラウンドに反映させるのが本当の目的でしょう」(前出関係者)
掛布DCは『次期監督候補』とも伝えられるようになった。卓越した打撃理論に若手が惹き付けられ、地方遠征に出た際のネームバリューには営業サイドも再認識させられたという。もっとも、グラウンド外でのトラブルがあり、企業グループの阪神HDとしては、監督に押し上げることにまだ抵抗があるようだ。しかし、掛布ブランドの仕掛け人の意向もある。
「31番の継承劇を仕掛けているのは中村勝広GM。ナンヤカンヤ言っても、中村GMが実質、阪神の人事を握っているのは間違いありませんから」(同)
阪神に限らず、プロ野球界には「2代続けて、好選手が出にくい」というジンクスもある。掛布DCの引退は1988年。萩原誠が継承したのは92年であり、ジンクスがあったとしても長すぎると言わざるを得ない。
掛布DC以外の人間にとって、呪われた背番号だというのなら、掛布DCが一軍コーチに昇格させて、自身が継承してもいいのでは?