各メディアはチーム内に不満があることは知っていた。しかし、それを口にするのはタブーだった。ヘタに騒げば“出禁”を食らうからだ。だが、“超変革失敗”の予兆を受けて、バッシングの火種がそこかしこにくすぶり始めている。
「昨季も細かな采配ミスは見られました。監督自身もこぼしていたように、サインを送るタイミングを逸して、何もできなかったり…。監督が『朝、怒って目が覚めることもある』と話していました」(在阪記者)
「怒りで目が覚める」とは、ストレスも相当溜まっているはずだ。このことを打ち明けた金本知憲監督(48)は、「(怒りは)誰に対して?」と突っ込まれると「自分」と答えたが、それはちょっとの間、考えてからだったという。
「金本監督に言わせれば、チームの課題は打線です。ですが、監督就任前の'15年は、シーズン終盤で失速したとはいえ、リーグ3位でクライマックス・シリーズ進出を果たしています。金本監督になってBクラスに低迷、去年は完全に優勝圏外でした」(同)
その金本監督は、ふた言目には世代交代を口にしてきた。そして、「ベテランがしっかりと働いてこそ、若手を登用できる」とも話し、不振に陥った主力選手を非難した。その筆頭が昨季、打率2割3分台にまで落ち込んだ鳥谷敬であることは言うまでもない。
「鳥谷は長くレギュラーを張ってきた主力中の主力で、チームに与える影響力は本当に大きい。鳥谷が打撃不振に苦しむのと同時にベンチのムードが悪くなり、チームも失速していきました」(阪神担当記者)
その打撃不振について、『真説』が分かった。
「ウエートトレーニング、フルスイングが金本イズムです。その『思いっ切り振れ!』の指導が合わなかったんです。鳥谷の打撃は軟らかい。正反対の練習を押しつける格好となってしまった」(球界関係者)
昨季の開幕6番の打順も、ベテランのプライドを傷つけた。ここに北條史也の成長も重なったが、単に正遊撃手を入れ換えればいいという話ではない。
「阪神OBは『猛虎復活のカギは鳥谷』と異口同音に答えます。鳥谷の影響力を知るからで、金本監督も知らないはずがない」(同)