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「激安スーパー玉出」創業者逮捕 遊郭・飛田新地が壊滅に戦々恐々②

山口組分裂と外国人観光客

「大きいのは、山口組の分裂です。玉出が建物を貸していたのは、六代目山口組の最高幹部が率いる組織の周辺者たちでした。警察は、分裂による抗争拡大を懸念しており、資金源をつぶすことに躍起になっている。玉出は、府警のアピールに利用されたようなもんです」(全国紙記者)

 2つ目の要因は、「万博」の開催決定だ。大阪では、これまでにも大きなイベントがある度に“環境浄化作戦”が発動され、風俗関連の取り締まりが強化されてきた歴史がある。
「天王寺博の時も、花博の時も、ちゃんと自主規制をやったから、正直、ここ(飛田)だけはスルーやった。でも、来年からは大きい国際的なイベントが続くやろ。今までは単発やったから、どうにか対処できたけど、これからどうなるか、ちょっと分からんよ」(前出・組合関係者)

 大阪は、来年にはG20(先進国首脳会議)やラグビーのワールドカップが開催され、その後も2025年の万博までは海外に向けての国際都市としてのイメージが大切になってくる。
「すでにガールズバーなどの摘発も活発になっていますが、その反面、万博とセットのカジノに食い込もうと、裏社会の連中がすでに水面下で動き出している。博打は彼らの本業ですからね。それ以外にも、土建業界などの利権争いから山口組の三つ巴の抗争に発展する恐れもありますからね」(前出・記者)

 山口組の分裂問題と大阪万博の開催決定が、今回の摘発に影響を与えているように、今後、大挙して訪れる外国人観光客の問題もリンクしているという。

 前出の風俗ライターが解説する。
「飛田からすぐの新今宮や萩ノ茶屋には、外国人向けの宿泊施設や飲食店が増え、なかなか賑わっています。その関係で、新地界隈にも人出が増えています。彼らは金離れがいい上に、無茶な遊びをしないので、料亭側の評判もいい。一時、外国人観光客は飛田新地の救世主になっていたんです」

 喜んだのも束の間、やっかいな問題が持ち上がった。
「彼らの隠し撮りした画像がネット上に次々にアップされ始めたんです。和風建築の玄関先で、原色の照明に、着飾った女の子が浮かび上がる。外国人観光客にすれば最高の被写体で、海外では“飛田新地は大阪の裏名物”のような形で紹介されているんですよ」(同)

 このことも警察当局の神経を逆なでしているという。
「ネットには店内の様子から女の子の写真まで、とにかく露骨に載せられてるみたいです。こんなん、警察が神経質になるのも無理はありません。これが国内の人間の仕業なら、こっちも手の打ちようがあるけど、外国人はどうにもならん。ほんまに余計なことをしてくれるもんです」(前出・組合関係者)

 すべては暗黙の了解で、独自の雰囲気を守り続けてきた飛田新地だが、こうした一連の流れは街の存続に関わりかねないと、料亭側は警戒を強めている。

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