「大会運営スタッフと監督がどう連絡を取り合うか、これまで以上により厳しい規制が課せられることになりそう」(スポーツ協会詰め記者)
近年の箱根駅伝といえば、青山学院大学の活躍が目立つ。彼らを指揮する原晋監督のギャラリーまでを意識したパフォーマンス、戦略を表すスローガンにも注目が集まっている。
「原監督は運営管理車に乗り込む前、観戦するファンに握手を求められたりもします。駅伝人気を高めたいとする原監督は、気さくに応じていますね」(同・記者)
このファンサービスに対し、お固い一部の関係者は「ちょっとやり過ぎ!」と思っていたそうだ。
「今回のプリンセス駅伝では、右足を故障した選手が、這いつくばって次のランナーにタスキが渡すシーンが大きな話題となりました。各方面から批判の声が上がり、棄権させなかった監督やチームには強いバッシングが。しかし、この問題は監督の厳しさなどではなく、運営と監督の間できちんと連絡が取れなかったことが原因なんです」(関係者)
四つん這いになって走者を進めさせた『岩谷産業』だが、監督は途中で棄権を申し出ていたらしい。しかし、走者近くにいた大会運営者には伝わらなかったというのが真相だ。
「この連絡不備を巡って、ひと悶着あったんです。棄権させる権限は大会運営者にあるため、岩谷産業の監督は『棄権を申し出たのに』と怒ったそう。一歩間違えれば、選手生命が奪われた可能性もありますからね」(同)
今回の出来事を受けて、所属チームの責任者と運営者は常に連絡が取れる状況を作れるよう徹底していくという。また、運営者には監督の指示で動くだけではなく、独断でレースをやめさせる勇気を持たせるとも。
「青学大の選手はハイペースで一気に追い上げる傾向があるので誤解され、運営側に注視されるでしょう」(前出の協会詰め記者)
原監督も従来通り、自身のペースで運営管理車に乗り込むことはできない。ルールの徹底が青学大5連覇の最大の障害となりそうだ。