加賀美啓太被告(51)は、もともと器物損壊罪で起訴され、昨年秋、横浜地裁で公判が開かれていた。
ところが、その最中、メモをとるために借りていた鉛筆で、隣にいた横浜拘置支所の男性刑務官の右頬をいきなり刺し、傷害と公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されたのだ。
「加賀美は、さらに別の日の公判でも、警察官を突然殴ってけがをさせています。この2件の暴行事件の公判が、1月から始まったのです」(全国紙記者)
2度も法廷で暴れ、2人の公務員に怪我をさせた男である。法廷は、かつてない厳重警備が敷かれた。通常であれば座れるはずの傍聴席最前列に白いカバーがかけられており、警備員が1人、その席に緊張した面持ちで座った。
本誌記者も、さすがに身の危険を感じ、傍聴席後方に座って開廷を待っていると、法廷奥のドアが開いた。
通常、勾留されている被告人は、刑務官2〜3人に伴われて法廷に入るが、この男には、なんと8人の警備がついていた。しかも、両脇を固める法務省の職員はとびきりガタイがよく、フルフェイスのヘルメットを被っていたのだ。
しかし、当の加賀美被告は長椅子に肘をかけ、ふんぞり反ってニヤニヤと笑い、「人定質問」にすら、まともに答えない。
裁判長「名前は?」
被告「暴力団員ですね、あははは」
裁判長「名前を確認したいが、名前は?」
被告「ん〜、よく思い出せませんね」
質問には答えず、「刑務所に9回入って、父親殺して、前も覚せい剤でパクられて、今回も…」と、ワル自慢が始まった。
さらに驚いたのは「罪状認否」である。公開の法廷で起こした暴行事件の裁判でありながら、「全部ね、やった記憶ないんですね〜。自分は何もやってない。だから困ってるんですね〜」と完全否認したのである。
法廷侮辱、ここに極まりだ!