その記念すべき日の1曲目は『365日の紙飛行機』。幕が開きイントロが流れた瞬間に、客席からどよめきが起き、前日の『NHK紅白歌合戦』のステージを目の前で見せてくれたようだ。しっとりと聞かせてくれた後には、2016年1月29日に公開されるドキュメンタリー映画『道頓堀よ、泣かせてくれ!DOCUMENTARY of NMB48』の主題歌である『道頓堀よ、泣かせてくれ!』の初披露が行われた。山本彩は「この曲はちょっと斬新なネーミングなのがNMB48らしいなって思います」と話した。しっとりしたちょっと切ない感じの曲だが、映画のシーンが頭に浮かぶような気持ちになれるような素敵な楽曲である。
聞かせる曲が2曲続いた後には、研究生が『待ってました、新学期』を歌い、まだ未熟ではあるが、初々しさを全面にアピールしてファンを魅了してくれた。
続いて各チームによる楽曲披露となり、チームNが『命のへそ』・『休戦協定』、チームMが『夏の催眠術』・『僕だけのSecret time』、チームBIIが『空腹で恋愛するな』・『ロマンティックスノー』と各2曲ずつ披露。新年の最初ということで、ここで各チームの個性をアピールして、チームのらしさをしっかりと見せてくれた。特徴のあるチームが揃っているNMB48だが、個性はチームのみならず、個人の個性も素晴らしいのがNMB48である。
今回はそんな個性が大爆発したのが、須藤凜々花である。これまでも不思議な発言が多かったりした須藤だが、今回はトークで年を越す瞬間に何をしていたかというテーマで話しをしている時に炸裂した。日付が変わる瞬間にジャンプをしたというメンバーが多かったのだが、須藤は誰もが想像できないことをやっていた。「衣装部屋でスッパ(素っ裸)で衣装さんから靴下を受け取った時に時間が変わりました」と話した。そんなことを言い出すキャラには見えないが、何を言い出すかわからない須藤は誰にも想像すらできない不思議な魅力を持っている。さらに「NMB48として『NHK紅白歌合戦』に出演できて本当に良かったです。48グループは移籍とかもあるじゃないですか。もし移籍とか言われても私は行きませんよ。アイドルはNMB48で卒業すると決めていますので」とNMB48愛を語った。そんな須藤の掛け声と同時に須藤がセンターを担当している『ドリアン少年』を最後に歌い、大きな盛り上がりを見せて2016年の新春特別公演の幕は閉じた。
最後は山本が「NMB48は去年5周年を迎えました。劇場デビューが今日が5周年です。こうして皆さんの前でこの劇場に立てていることが本当に嬉しく思いますし、このNMB48劇場こそが私たちの原点であり一番大切な場所だと思っています。これからもこの場所を大切にして、メンバー・チームで切磋琢磨しながら成長していきたいと思います。メンバーみんなで力を合わせてグループを大きくしていきたいです。2016年まだ始まったばかりで何があるかわかりませんけど、NMB48の時代だと皆さんに感じて頂けるように、2016年はみんなと一緒に頑張っていきたいと思います」と話した。
この公演を観て個人的に思うことがあるので、最後に言わせて欲しい。今回『NHK紅白歌合戦』でも歌った『365日の紙飛行機』は、あくまでもAKB48の楽曲なので、NMB48としての曲ではない。もしできるのならば、新たにNMB48の楽曲として再レコーディングをして、NMB48の楽曲として聴いてみたい。あの素晴らしい山本彩の歌声は、NMB48の財産でもあるので、その財産がいつか形になることに期待をしたいと思う。
取材/ブレーメン大島
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