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CBC賞(GIII、中京芝1200メートル、14日) 本紙・谷口はソルジャーズソングで勝負

 最初は笑って、結局は泣いてしまったGI6連戦も無事終わり、来週から始まる夏の北海道シリーズに向けて、俗にいう関係者たちの“ゲルマン民族の大移動”もほぼ完了。早くも夏のローカルムードが漂い始めた栗東トレセン。駐在する当方もどことなく一服したい心境だが、普段は温厚な鮫島調教師がいつにない熱っぽい口調で、「残り少ないサンデーサイレンス産駒だからね。何としても重賞タイトルのひとつは獲らせてやりたいんだ」と管理馬ソルジャーズソングについて語れば、記者の眠気まなこ(薄くなった財布)もパッチリと開かされてしまう。
 7歳の初夏を迎えたというのに、わずか20戦のキャリア。右前の屈腱炎を発症したのが2005年。復帰への道程にはおよそ2年半という気の遠くなりそうな年月が必要となった。
 「一口で2年半といっても、なかなか耐えられるものではないよ。それもこれも、生産、育成に携わってきたスタッフが、このサンデーサイレンス産駒を何としてもターフに再び復帰させたいという一丸となっての強い気持ちがあればこそ」と師は振り返る。

 その忍耐と苦労が報われたのが、春のスプリント決戦・高松宮記念。ローレルゲレイロ、スリープレスナイトに次いで3着と、見事に銅メダルを獲得した。となれば、次のターゲットは重賞の表彰台。好走したGIと同じ中京千二で行われるこのCBC賞こそ、願ってもない最適の舞台だ。
 「久々を考慮しても、千四の京王杯はヘロヘロになりすぎだし、昨秋の奥多摩Sだって最後は危なかったように、本来、この馬は千二がベストなんだ。しかも、直線がフラットで短いコースがよりいい。高松宮記念で上位入線を果たしたように、一瞬の鋭い脚が生きるからね」と同師。「幸いにして、復帰後は1度も屈腱炎再発の兆しはないし、むしろ競馬を使った後の方がスッキリしている。ここは前走後から狙っていた重賞だし、ホント、何としてもこの馬にタイトルを獲らせてやりたいね」
 奇跡の命題成就へ、桶狭間の戦場に立つ。

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