『江〜姫たちの戦国〜』第11回、アンチを笑うオカルト演出

トレンド 2011年03月31日 11時45分

 NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』の第11回「猿の人質」が、3月27日に放送された。前回までは市(鈴木保奈美)の物語という側面が強かったが、今回から名実ともに江(上野樹里)ら三姉妹の物語になる。

 非現実的な脚本が週刊誌などでもバッシングされている『江』であるが、それを今回も貫き、アンチを嘲笑するかのような展開となった。江ら三姉妹は両親を死に至らしめた羽柴秀吉(岸谷五朗)を許せないと食って掛る。秀吉を「猿」と呼び捨てにし、命令口調で話をする。激高する江に秀吉は対抗しようとするが、信長 (豊川悦司)の亡霊を見て怯む。さらに死後も引き続きナレーターを務める市が幽霊となって登場する。

 『江』へのバッシングには大きく二つの要素がある。第一に史実や時代考証の軽視である。幼い江が明智光秀(市村正親)に「なぜ謀反を起こしたのか」と問い詰めるシーンが典型である。今回も勝者側の秀吉に対し、敗者側の江らが高圧的な態度をとる。時代劇のリアリティを重視するならば、あり得ないシーンである。

 しかし、登場人物を現代人の感覚で動かすことは制作側の意図したことである。戦国時代の現実を踏まえて大人しくするのではなく、怒りの感情をストレートに出してこそ人間ドラマになる。従って、この点を批判したところで、平行線になる。そもそも史実や時代考証軽視は近年の大河ドラマに共通する傾向であり、『江』だけが批判されるものではない。
 第二にオカルト的演出である。本能寺の変において信長は江の生霊を見た。伊賀越え中の江には信長の霊が現れて、江に力を与えた。そして今回も信長と市が亡霊として登場した。大河ドラマでは過去にもナレーターが物語の途中で死亡し、幽霊として登場したことがある。『八代将軍吉宗』の近松門左衛門 (江守徹)である。一目で作り話と分かるコメディー的な近松の幽霊に対し、市の幽霊は幻想的で、CGまで使用された凝ったものである。このオカルト演出と史実軽視が重なって『江』は「あり得ない」の大合唱になった。

 現代科学の立場から幽霊などは存在しないと主張することは一つの考えである。しかし、過去の人々が幽霊の存在を信じていたという事実は別次元の問題である。当時の人々が幽霊を信じていたならば、それを前提に物語を描くことは時代劇にマッチすることになる。時代考証軽視を理由に『江』を否定しながら、オカルト的演出を理由に『江』を批判することは矛盾する。バッシングに負けず、薄っぺらな科学信奉者を嘲笑うようなオカルト演出を貫く『江』に今後も注目である。
(林田力)

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