開演前から、「ももクロシルク」と名づけられた大道芸人がジャグリングや玉乗りをおこない、満場の客を飽きさせない創意工夫。ライブでは、初のフライング、巨大バルーンに乗ってのパフォーマンス、おなじみの電飾フロートなどを採りいれて、少しでもモノノフ(ファン)に近づこうと5人は必死だ。
ソロパフォーマンスも充実。学生時代に新体操をやっていた百田夏菜子は、その柔軟性を生かしてフープダンスを披露。玉井詩織は、幼少期に10年習っていたピアノで、大ヒットシングルの『青春賦』、『MOON PRIDE』を伴奏し、メンバーと一緒に歌い上げた。佐々木彩夏は、シングルの『泣いてもいいんだよ』、『夢の浮世に咲いてみな』をエレキギターで演奏し、メロディの世界観を変わったアレンジで抽出させた。有安杏果は、ライブのマストソングをドラムパフォーマンスでセッション。高城れにはシングル「『Z』の誓い」などの冒頭を、華麗なタップダンスで彩った。
全公演でサプライズ発表があるのも、本ツアーの特徴。有安杏果の初ソロライブ(7月3日・横浜アリーナ)、佐々木彩夏の初ソロライブ(9月19日・横浜アリーナ)、百田&玉井のライブ『ももたまい婚』(9月4日、新潟県民会館)などが明らかになったが、西武初日には、初の米国ツアー『アメリカ横断ウルトラライブ』(ニューヨーク、ロサンゼルス、ハワイ)を発表(11月を予定)。ファイナルでは、突如バルーンに乗って登場した松崎しげるが、大ヒットソング『愛のメモリー』の歌詞で、恒例の夏ライブ『桃神祭2016 〜鬼ヶ島〜』(8月13・14日/横浜国際総合競技場=日産スタジアム)を発表した。
ラストは、グループ結成時にメンバーが歌詞の一部を担当した思い出のナンバー『あの空へ向かって』で締めると、号泣した高城が、「『あの空へ向かって』を作ったときからは、(ドームを満員にできることを)考えられなくて…。ここまで私たちに付いてきてくれて、ありがとうございます」と深礼。リーダーの百田は、「路上で歌っていたときには考えられない、そんな光景が今も広がっています。いつかまたドームツアーができたら、全会場満員にしたいし、もっとたくさんの人に笑顔が届けられるように大きくなれたらいいなって」と言葉にし、3万7,059人のモノノフの心をアツくした。(伊藤雅奈子)
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