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エリザベス女王杯(GI、芝2200メートル、15日) クィーンスプマンテが大逃走 大波乱を招いた原因は!?

 展開の妙…これがあるから競馬は面白い。15日に京都競馬場で行われた「第34回エリザベス女王杯」(GI、芝2200メートル)は、大逃げを打った人気薄の同士の行った行ったで決着。ハナを叩いたクィーンスプマンテがともに前を引っ張ったテイエムプリキュアを引き連れ、初のGI制覇を飾った。勝ち時計は2分13秒6(良)。切れ者ブエナビスタをもってしても3着がやっとの前残り。なぜ、どの馬も動けなかったのか?

 オールドファンの脳裏には、おそらく1980年の天皇賞・秋を逃げ切ったプリティキャストの姿がよみがえったことだろう。誰もが笑うしかない逃げ馬2頭の鮮やかすぎるワン・ツーフィニッシュ。クィーンスプマンテの小島茂調教師の言葉を借りれば「競馬に絶対はない」ことを如実に示した滅多にお目にかかることのできない結末となった。
 4角を回った時点で誰の目から見ても分かるセーフティーリード。まるで直線は2頭立てのようなマッチレースだった。それでも最後はテイエムプリキュアとの差は1馬身以上。いわゆる「影をも踏ませない」逃亡劇だった。
 “前代未聞”のレースを演出した田中博騎手は「3、4角でプリキュアを見たら、いいリードを保っているなと。ペースを落としすぎてもダメなので、馬のリズムを大事に乗った。パドックの時に先生に『6回逃げて5回勝っている』と言われ自信が出た。最高ですね」と高笑い。

 小島茂師も「いっせいにヨーイドンならそりゃあ、かなわない。けれど、競馬は戦法というものがある。この馬には逃げれる資質があったから」としてやったりだ。
 とはいえ、誰もが思うのが、後ろはなぜ動かなかったのか? という素朴な疑問。ある騎手が「第2集団の先頭に立っていたスミヨン(=リトルアマポーラ)がガッチリと前をふさいでしまった。リトルがもっとペースを上げていれば、こんな結果にならなかった」と言えば、違う騎手は「みんなペースが遅いのは分かっていたけど、誰もが死にたくないからね。動きたいけど動けない。これが競馬の怖いところなんだ」と“金縛り”にあった理由を説明した。
 さらに、みな口をそろえたのが「そこまで距離が離れていたとは分からなかった」だ。後続集団が向正面を走っている時点で、前2頭はすでに3コーナーの下り坂にかかっていたが、大半の目は後門のオオカミ・ブエナビスタに向けられていた。仕掛けが遅れたもうひとつの理由はそこにもあった。
 いずれにしても、後方組が積極性に欠けたことはまぎれもない事実。イチかバチかの駆け引きがあってこそGIは盛り上がる。レースレベルのうんぬん以上に、乗り手の消極的な姿勢が目立つ消化不良の一戦となった。

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