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近鉄線車掌飛び降りは「集団パワハラや」と同情の声しきり

 上司からではなく、毎日不特定多数の他人から“集団パワハラ”を受けているのに近い。9月21日、近鉄・東花園駅(大阪府東大阪市)で、電車の遅延処理に追われた26歳の男性車掌が乗客に詰め寄られた揚げ句、「もうこんな仕事やってられるか!」「死なせてくれ!」と叫び、制服を脱ぎ捨て線路へ飛び降り、その拍子に腰や胸の骨を折るという事件が起きた。
 この影響で近鉄奈良線は遅延し駅周辺は大混乱。近鉄側も平謝りの状態だったが、その後、ネット上では「労災認定すべきだ」「自殺を図るぐらいに追い込まれていた」といった同情の声が殺到。そして、同業者からもこんな声が聞こえてきた。
 「大きな声では言えませんが、『ああ、我慢できなかったんだな』というのが正直な話。それくらい無茶なお客さんが増えているんですよ」(某私鉄社員)

 さらにいくつかの現場をリサーチしてみると、確かに同情したくなるような実態も浮かんでくる。
 「歩きスマホの子供を注意したら、『画面が変わっちゃったじゃないか!』と一緒にいた親に怒鳴られたこともあります。電車が入線している時にです」(JR駅員)

 甲子園球場を抱える阪神電鉄では、こんな話も。
 「野球のナイター帰りの電車の中は、阪神ファンも相手ファンも両方テンションが上がってますから、ちょっとしたことでケンカになる。そんなとき、仲裁に入るのが大変ですわ。『お前はどっちの味方や!』とくるしね」(関係者)

 昨今では特に、外国人観光客への対応でも苦労しているという。某私鉄駅員がこう嘆く。
 「電車の中で大声でしゃべったり、ツバを吐いたり。注意しようものなら向こうの言葉でまくし立ててくる。それを見ている日本人のお客さんからは『ちゃんと注意せえや!』ですからね。若手なんかは、そんな状況に陥ると混乱して、『こんなんイヤや!』と言いたくなりますわ」

 文化の違う外国人ばかりではなく、日本人のモラルの低下も明らかにある。これじゃ、現場で働く職員たちの毎日は“パワハラ地獄”だ。

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