「プロの棋士を目指す場合、特定の師匠につき研修機関である新進棋士奨励会(通称・奨励会)へ入会する必要があります。そこでは、会員同士の対戦成績により、級と段位が上下します。6級から始まり、四段まで上がるとプロになれます。現在は、満21歳の誕生日までに初段、満26歳までに四段にならなければ基本的に追い出されてしまう厳しい世界です。時間が限られているため、高校へ進学せず、将棋に集中する人が多いです。藤井はすでにプロですが、さらに上を目指すにあたり、高校進学が注目されていました」(将棋に詳しいフリーライター)
学歴があっても、将棋の世界で勝ち抜けるとは限らない。完全実力主義の世界は、芸能界にも当てはまるだろう。芸能界には、高校進学をしなかった「完全中卒」の人間が多い。
「俳優の山田孝之は、鹿児島県出身ですが、中学3年の2学期の終わりに家族そろって上京。高校受験に失敗し、姉と原宿で買い物をしていたところ、女性と間違われてスカウトを受け、俳優の道へ進みます。高校へ行っていないためか、良くも悪くも自由人ぶりを発揮しています。また、昨年12月、『FRIDAY』(講談社)における薬物使用疑惑報道を受けて芸能界を引退し、先ごろ復帰の噂も持ち上がった俳優の成宮寛貴も、高校へ進学していません。家が貧しく、自分が働いて弟を養う必要があったためです。来年度の引退を表明している歌手の安室奈美恵も、中学3年時から芸能活動を始めたため、高校へは進学していません。彼女も家が貧しく、通っていた沖縄アクターズスクールには、家から徒歩で1時間半かけて通っていました」(芸能ライター)
理由はさまざまなれど、将棋や芸能界など完全実力主義の世界で勝ち上がるには強靭な意思とハングリー精神が必要なのは確かなようだ。