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専門医に聞け! Q&A 癖になる“秋の咳”を抑える

 Q:急に涼しくなったためか風邪を引きました。それがきっかけで咳が出はじめ、いまだに抜けません。カサカサ、コホコホといった感じの咳です。風邪は治ったはずですし、なぜ、止まないのか不思議です。対策法等についてアドバイスをお願いします。(37歳。警備会社勤務)

 A:咳は一度出はじめると、癖になったかのように、日にちがたっても止まないことがあります。しかも、原因やきっかけとなる病気は、風邪をはじめとしていろいろあります。
 ご質問の方は、カサカサ、コホコホという咳が出るとのこと。おそらく秋特有の咳と思われます。秋に特徴的な咳は、軽く高いトーンで乾いています。この時期は葉が紅葉し枯れますが、それを象徴するようなイメージです。
 春の咳は、秋の咳とは音質が違います。春は芽生えの季節で、植物は水分、樹液に満ちています。そのため、咳も湿気に満ちています。ですから、漢方薬も利水作用があるものを処方します。代表的な漢方薬に、麻杏肝石湯があります。
 一方、秋の咳の場合は、潤しながら咳を止める漢方薬を用います。

●潤す漢方薬が有効
 咳は痰に伴うものというイメージがあります。そのため、咳に対して痰を取る作用のある去痰薬を処方します。秋の咳にも去痰薬が有効ですが、前述したように潤す作用がある漢方薬を用い、潤すだけで咳は止まります。
 そこで私が薦めるのが、麦門冬湯に梨を加える方法です。麦門冬湯の効果・効能は次のとおりです。
 「体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強く咳き込み、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症=から咳、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声」
 梨には、体を潤し元気をつける作用があります。
 この他、南天実配合の咳止めシロップやのど飴など、大衆薬としての漢方生薬系のシロップやのど飴も役立ちます。ぜひ試してみるとよいでしょう。
 毎年秋、涼しくなったころになると乾いた感じの咳が起こり、それがしばらく続くようであれば、一度漢方の専門医を受診するとよいでしょう。
 なお、冒頭で触れましたが、咳を引き起こす病気は実にさまざまあります。ざっと挙げてみても、咳ぜんそく、アトピー咳漱、アレルギー性咽頭炎、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、胃食道逆流症、慢性気管支炎、マイコプラズマ感染、百日咳などです。
 咳以外の症状を伴ったり、これまで経験したことのないような咳の場合、病院で検査をしましょう。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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