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自分に合ったスタイルを! 身体に負担をかけない冬の「快適入浴法」伝授(2)

 しかし、入浴と言っても種類がある。一般的な入浴方法で、首までゆっくり浸かるのが「全身入浴」。浴槽に座った状態で湯の水位がみぞおちよりやや下に来る程度で浸かる「半身浴」。半身浴よりさらにお湯の水位が低く、腰から下にくる程度で浸かる「座浴」などがある。
 他に「手浴」「足浴」「温冷浴」など、心臓への負担軽減や低血圧の人に合った入浴法や、手足の疲れ、肩凝りなどを癒す目的の入浴の仕方もあり、それぞれ自分の体調、健康管理に合わせた入浴法を楽しめる。

 ところが一方で、「風呂に入るのに、あれこれ理屈はいらねぇ。(垢や汚れが落ち)サッパリして体がポカポカすりゃいいんだよ」と、江戸っ子ばりのタンカを切る人もいるが、果たしてどうだろう。医者に生活習慣病からくる「高血圧症」を指摘されている人が、ためらいもなく熱い湯にザブン…。「それこそ愚の骨頂。脳卒中などの大病を呼び寄せているようなもの」と医療関係者は指摘する。
 「高血圧を抱えている人の場合、入浴時間やお湯の温度、水分補給などに気を付ける必要があります。入浴中は汗で水分が蒸発してしまうため、いわゆる“血液ドロドロ状態”になり、血小板の塊を溶かす力が、体温の上昇と比例して弱くなり、血小板が出来やすい。その結果、血管に負担が掛かりやすく42℃以上の熱い風呂は危険で、避けるべきです。まして酒を飲んでいる時の入浴はなおさらで、絶対に避けるべき。脳梗塞、心筋梗塞などを誘発し風呂場で倒れ、そのまま死に至ることがあります」

 注意すべきは高温の湯ばかりではない。「低い、ぬるめの温度」ではどうかといえば、良いとも言い切れない。理由は「ぬるい湯は入浴時間が長くなりがち」で、これも逆効果なのだ。
 「湯温的にはぬるめが良いわけですが、浸かる時間はせいぜい10〜15分程度にすべきですね。それに入浴前の水分補給は守ってほしいし、上がった後も水を飲んだ方がいい。私は、半身浴が健康的な入り方と思いますが、とくに高血圧や心臓に疾患を持っている方などには、ぬるま湯をお勧めしたい」と言うのは、健康ジャーナリストの泉准也氏で、こんなことも提案した。
 「高血圧の検査の一つに、“寒冷昇圧試験”というものがあります。これをすると、高血圧体質の人はすぐわかります。反応が強いのです」

 寒冷昇圧試験は、片方の手を冷たい水の中に入れて置き、もう一方の手で血圧の変化を調べる簡単な検査だが、高血圧体質の人は血圧の上昇ぶりが明らかに検査計に現れる。
 それだけ血圧は寒さに敏感というわけで、寒い時期は、たまたま動脈硬化、動脈瘤(りゅう)があると、それが引き金となって思わぬ血管事故につながりかねないという。

 日頃、ジョギングや耐寒マラソンで体を鍛えるのも結構だが、これはあくまで若くて健康な人たちの話。もちろん血管が丈夫な人も問題が無いが、中高年で働き盛りのサラリーマンなどは注意するに越したことはない。
 湯温の高い全身浴や半身浴の効果など、自分に合った入浴法で、元気で健康的な体を維持しよう。

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