怒りのボルテージが頂点に達したのは、“不可解采配”で最下位に転落した9月15日のヤクルト戦だった。
2点ビハインドで迎えた5回裏、先頭打者が出塁し、次打者が犠打を決めた。そこで打席がまわってきたのは、ピッチャーの青柳晃洋。スタンドにいるファンも「代打」と思っていたが、金本監督は動かない。そのまま青柳を打席に立たせ、好機を潰してしまった。試合後、「ちょっとリリーフがな。頭数がどうしても足らなかったから」と言い訳する金本監督に、阪神OBの岡田彰布氏が噛みついた。
「岡田氏はベテランの藤川球児を使えば、彼なら状況も把握し、味方を鼓舞する投球をしてくれると采配批判をしていました」(在阪記者)
金本監督はこの日の最下位転落についても、「ああ、そうなん?」と、投げやりな口調で返していた。
「関西のメディアは金本体制への応援一色でしたが、阪神OBの中にも苦言を呈する声が出始め、他球団出身の解説者は批判的です。今まで、金本批判はNGだったのに…」(同)
こんなこともあった。交流戦に話はさかのぼるが、オリックスとの関西ダービーを落としたとき、金本監督はミスをした選手を指し、「普段なにをしているんだ?(打撃を)信用して起用しているんじゃない!」と言い放った。試合直後とはいえ、メディアの前で、「選手を信用していない」と公言する監督がいるだろうか。以後、ベンチの雰囲気は重苦しくなり、選手たちはオドオドしている。
このように、敗戦後の金本談話はかなり冷たい。
「ウチだけじゃないかな。松坂(大輔)を打てないのは」(9月13日)
「やりようがない。勝ちパターン(の投手を出して)で負けたわけですからね」(9月18日)
「あれがすべて。今年の悪い流れよ。ずっとバッテリーには口うるさく言ってるんですけどね」(8月21日)
「守備面でのミスからの失点と、打つ方ですかね。得点力不足というのは一番で。あとは内野の守備の乱れとか、その2つが大きかったですね」(7月11日会見)
選手を見放した口調で吐き捨てることが多い。
「監督、主要コーチは外様。矢野燿大二軍監督も同様です。打線は福留孝介、糸井嘉男、先発はメッセンジャーと、今の阪神は外様ばかり。OBが非協力的なのは当然です」(関係者)
今季の大敗を受け、外様阪神に不満を抱くOBたちが一気に爆発したのは言うまでもない。「3年目で優勝、若手育成」の公約がすべて破られた以上、もう関西メディアも容赦なし!