「民泊をやろうにも細かい規制が多すぎや。大阪府は民泊を増やすのか、規制するのか、どっちやねんと言いたいわ」
ある賃貸マンションオーナーもこう不満を漏らすが、一方でビルの一室などを無許可で貸し出す違法民泊施設は盛況が続いている。中でも大阪ミナミの大国町、恵美須町一帯には、新規を含め数多くが出店。夕方ともなれば、キャリーバッグやリュックを背負った外国人が現れ、近隣のビルやマンションに消える光景が当たり前になりつつある。
「大国町、恵美須町は、いつの間にか国際都市のようになった。夜は日本語より外国語の方がよく聞こえるという状態です。確かに、この二つの街などは、関西空港からのアクセスも便利で、外国人に人気の繁華街も目と鼻の先。彼らにしてみれば、規制に縛られるホテルやゲストハウスより違法民泊施設の方が居心地がいいということでしょう」(地元記者)
もっとも、この一帯に違法な宿泊所が増えている理由は日本側の事情もある。
ある風俗店の経営者が、こう説明する。
「今、外国人を泊めているビルやマンションは、そのほとんどが裏DVD、出張風俗、合法ドラッグのアジトがあった場所。そうした違法店が出て行った後、何かやるとしたら民泊がいちばん手っ取り早いというわけです」
外国人相手の民泊営業で最も問題視されているのは、近隣とのトラブル。しかし、そもそも違法なビジネスが集まっていたビルやマンションであれば、その心配も少ないという。
再び前出のオーナーの話。
「うちはやらへんけど、違法は承知の上や。空き家にしとくよりマシやし、第一、今までも違法なところに貸してたんやから。クスリや裏DVDに比べたら外国人泊める方がラクなもんや。手入れが来るまで一泊5000円程度で儲けたろということや」
新条例で闇商売が増えては本末転倒ではないか。