「趙氏は同会会長として2011年に大会招致に成功し、'14年8月に組織委員会会長に就任した立役者です。むろん政府が同氏を起用した理由には、韓国9位の巨大財閥のトップという立場から協賛金を集めてほしいというもくろみもあった。ところが、大韓航空や韓進海運などグループ企業が軒並み経営不振となり、五輪の金集めどころではなくなったのです。韓進グループに引導を渡したのは、あの『ナッツ姫』ですよ」(韓国事情に詳しいジャーナリスト)
韓進海運は8月30日、銀行など債権団から追加金融支援を行わないと最後通牒を突き付けられ、翌日の緊急取締役会で法定管理(日本の会社更生法に相当)を申請し破綻した。
「娘の趙顕娥前大韓航空副社長(41)による『ナッツリターン事件』が国民からの批判にさらされ、父親の五輪関連活動ばかりかグループ企業への金融支援にも影響を及ぼしたのです。韓進海運には同業の現代(ヒュンダイ)商船との合併論も再浮上しましたが、現代は同社の業績悪化を理由に助け舟を出しませんでした」(韓国紙経済記者)
韓進海運は輸送能力世界7位で、工業製品の他、小売業者向けの電子機器、衣料品、家具、玩具といった消費財の輸送を手掛けている。太平洋を渡って輸送するコンテナ数は1日当たり約2万5000個にも及び、同社の破綻で通販大手のアマゾンや売上高世界一のスーパーマーケットチェーン・ウォルマートなど米国の大荷主は、アジア航路での運賃急上昇に直面しているのだ。影響はそれだけではない。
「韓進海運のコンテナ輸出入物流量は同国の6.6%を占めており、2位の現代商船は2.1%にすぎないことから代替輸送はできず、現代商船も9月からは繁忙期に入るため代替ができないことをすでに表明しています。財閥トップのサムスン電子や同4位のLGケミカルは、韓進海運への依存度が北米路線で50%を超えていますから、韓国経済が頼みとする対米輸出に大打撃を与え、今以上の深刻な状況に直面することは確実です」(同)
韓国の金融監督院がまとめた財務状況に問題のある企業32社の中に、大韓航空、韓進海運が含まれているが、他にも破綻懸念のある財閥系企業がゴロゴロしているのが実情だ。尻に火が付いた巨大財閥は、総じて五輪どころではないのである。
平昌五輪を巡る問題は、国内企業のスポンサー契約が目標額に達していないことだけではない。今年1月には、大会向けに建設していた鉄道の橋脚が崩落する事故も発生している。韓国お得意の“手抜き工事”が原因だ。
「韓国政府は今年に入り新設競技場の工事進捗率は65%だと公表したが、これを真に受ける国民はおらず、しかも工事を手掛けている財閥・東部グループ傘下の東部建設が'14年12月末に法定管理を申請しています。同社の破綻で、さらなる工期遅延も懸念されているのです。五輪関係で唯一の明るい材料は、ロッテグループの重光昭夫会長が韓国スキー協会などに総額100億ウォン(約9億3000万円)を支援する意向を表明したことですが、そのロッテも解体の危機に直面していますから、もう八方塞がりです」(在日韓国紙記者)
開催地の江原道は8451億ウォン(約787億円)の負債を抱え、財政自立度は全国最下位付近をうろつく21.6%。大会終了後に発生する莫大な負債を懸念する道民の間では「政府の支援が増えないのなら開催地を返上したい」との世論が巻き起こっている。
「江原道が頼みとする韓国政府の債務は約540兆ウォン(約50兆円:同国シンクタンク公表)に達しています。韓国国会議員が竹島に上陸した直後、日本は日韓通貨スワップ再締結に応じる姿勢を示しましたが、ウォンなど日本にとってはただの紙切れにすぎず何のメリットもない。従軍慰安婦の存在を認めるような慰安婦財団口座への10億円の拠出などを見るまでもなく、韓国が日本国民の税金へ無心を始めたようで、またタカられると思うと憂鬱になります」(民間シンクタンク研究員)
これまでも全斗煥大統領時代に「反共の防波堤論」など意味不明な難癖を持ち出して、日本からの援助を引き出し続けた韓国。日本人のほとんどは「ナッツ姫」の尻拭いなど真っ平ゴメンだと思っている。