大手酒類メーカーが、欧州産の輸入ワインを相次いで値下げする。欧州ワインの関税が撤廃されたことで再びワインが脚光を浴びる一方、落とし穴が…。“有機ワイン”表示をめぐり、一部で問題視されているのだ。
EU(欧州連合)と日本の経済連携協定が2月1日から発効。低価格の欧州産ワインがスーパーマーケットなどで販売されているのをよく目にするが、人によっては「頭が痛くなるワイン」が含まれているという。
「売り場では、有機とかオーガニックの表示が目につく。一般的に有機、オーガニックは添加物が含まれていない。この表示を見た消費者は有機栽培で作られたブドウで無添加を疑わない。ところが、裏ラベルを見ると“二酸化防止剤(亜鉛酸塩)含有”“添加物:酸化防止剤(亜流酸塩)”の文字が書かれてあるんです」(酒類メーカー関係者)
一般的なワインは酸化防止剤として亜硫酸塩が有機ワインに添加されている。亜硫酸塩は通常、二酸化硫黄のこと。これを添加することで、雑菌が増殖するのを防いだり、酵母による発酵が進みすぎるのを抑えたり、成分が酸化して変質するのを防ぐ効果がある。
「二酸化硫黄は諸刃の剣で毒性が強い。ワインを飲むと、頭が痛くなることがあるのはそのためです」(同)
なぜ、有機ワインなどとして売られているのか。通常の加工食品の場合、有機、オーガニックの名称を表示するためにはJAS法に基づく『有機JAS規格』を満たさなければならない。
しかし、ワインなどの酒類は、国税庁が管轄して「酒類における有機の表示基準」が適用され、有機JAS規格の対象外となる。
「二酸化硫黄を添加していても、厚労省や農水省が管轄する一般加工食品の条件を満たしていれば、そのワインは有機農産物加工酒類ということで、有機やオーガニックと表示できるんです。低価格だからといって飛びつく前に、裏のラベルまで確認したほうがいい」(食品アナリスト)
消費者はボトルの裏ラベルの内容にご注意を!