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プロ野球キャンプに異変 最強・広島カープを大警戒する巨人・阪神ベンチ裏(1)

 「広島さんがうらやましい。もう少し売れてほしい」
 阪神タイガースの坂井信也オーナーが定例報告会後、そうこぼしていた。何がうらやましいかと言えば、広島東洋カープはマツダスタジアムでの年間指定席8300席分が即完売。それに対し阪神は『球団創設80周年』のメモリアルにもかかわらず、甲子園球場(主催試合)の年間指定席が売れ残ってしまったのだ(2月1日時点)。
 「黒田効果で完売したとの見方が支配的です。黒田、マエケン、大瀬良の3人で40勝の計算も立ち、かつ外国人選手の補強にも成功しました。広島を優勝候補と見る関係者も多く、地元ファンも24年ぶりの胴上げに期待しているのでしょう」(スポーツライター・美山和也氏)

 日本野球機構の発表によれば、昨季の広島の年間観客動員数は190万4781人。前年比21.7%増で、球団史上最多をマークした。一方、阪神はリーグ2位の268万9593人だが、前年比では3%のダウン。セ・リーグ全体では前年比3.4%増の1261万人強を集めた。その内訳は、巨人、DeNAも観客動員数を増やしたが、前年比の数値は広島が突出して高い。『カープ女子』の一大旋風を巻き起こした広島が、リーグ全体をけん引したと言っていいだろう。
 「'14〜'15年オフ、FA市場の主役は金子千尋(=オリックス残留)でしたが、広島は堅実に外国人選手を補強しました。左の先発候補として前ツインズのクリス・ジョンソンを、同じく左腕のマイク・ザガースキーは救援で使えるめども立っている。好打者のヘスス・グスマンが加入したことで、エルドレッド一人に集中していた対戦投手のマークを分散することができ、投打ともに広島は戦力アップしています」(美山氏)

 さらに、ドラ1の野間峻祥外野手は緒方孝市新監督の肝いりで指名したスピードプレーヤーだ。
 「彼は昨夏、巨人二軍とのプロアマ交流戦で活躍しており、一軍で通用するのは立証済み。原監督も一目置いています」(スポーツ紙記者)
 だが、阪神はオフの補強で全敗…。水面下で先発タイプの投手をトレード獲得しようとパ・リーグ各球団に“探り”を入れているが、色よい返事は聞かれない。しかも、自主トレ中の1月に“大誤算”も起きていた。「トラのドラ1は大幅な出遅れとなりそう」(球界関係者)だというのだ。

 新人合同自主トレでのこと。初日の1月8日、1位左腕投手・横山雄哉だけが別メニューとなった。球団は12月の『21U野球ワールドカップ』で横山が投げていたことを指し、「大事を取って」と説明していたが、実際は違った。一週間が経過してもキャッチボールすら始められなかった。
 「新人全員が参加したノックでも、横山だけは送球なしでした。他の新人投手がブルペン入りしても、18日になってやっとキャッチボールを始めたくらい。それも、20メートルほどの距離です」(同)

 ドラフト指名後のMRI検査で左胸鎖関節の炎症が判明。球団は補強全敗で消沈したムードに追い打ちを掛けまいとし、「大事を取って」と報道陣に真相を語らなかったのだ。しかし、横山の回復具合が芳しくなく、隠しきれなくなったのである。
 「“レジェンド”江夏豊氏のキャンプ臨時コーチが決定した際、同じ1位左腕ということで、横山とのツーショットを撮らせてファンの期待もあおりたかったんですが…」(在阪記者)
 江夏氏には、伝統球団特有のプレッシャーをはねのける心構えも説いてもらう予定だったという。その前に戦線離脱となってしまったわけだ。

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