ドイツ週刊誌『シュピーゲル』(5月13日号)が、韓国の文在寅大統領を旧西ドイツ時代のヴィリー・ブラント首相になぞらえる記事を掲載した。東西ドイツが統合されたように、文大統領は南北融和を実現するかもしれないというわけだ。
「ブラント首相は“東方政策”を展開し、旧東ドイツとの緊張緩和、再統一を積極的に推進した功績により、1971年にノーベル平和賞を受賞しています。ところが、最側近のギュンター・ギヨーム秘書が旧東ドイツのスパイであることが発覚し、政権は崩壊に追い込まれ、東方政策はその時点では失敗に終わりました」(在独日本人ライター)
韓国には北から送られたスパイが多く暗躍している。それだけに、親北派の文政権はブラント政権のような“崩壊シナリオ”への警戒が必要だが、その兆候は早くも表れているという。
「文政権誕生に貢献した左派系マスコミに、文支持者が狂気とも言える攻撃を加えているのです。発端は5月14日に文支持派だったネットメディアが、大統領夫人の金正淑さんを『金正淑氏』と表現したことでした。支持者たちが“令夫人”“女史”という呼称ではなく、なぜ格下の“氏”を使ったのかと執筆した記者に激しく抗議。これに対し論理的に抗弁すると、怒った支持者たちから再び猛烈に責め立てられ、2日後に謝罪する羽目に陥ったのです」(在韓通信社記者)
この事態に一斉に立ち上がったのが、左翼系新聞の文支持記者たちだ。
「最左翼系メディア『オヌル』の記者は、自身のSNSで『気に入らないからと言って、犬の群れのように集団でかみついて屈服させる行為はファシズムだ。あんたたちのご主人様にも迷惑な行為だゾ』と、痛烈な皮肉のメッセージを載せたのです」(同)
しかし“モンスター”相手に言論は通じなかった。ある人気ネット掲示板に「株主総会を掌握し、記者たち全員を一掃しよう」「広告主に抗議しよう」「不買運動を起こそう」という声が寄せられ、結局、反論した記者に謝罪させたのである。
「どこかのカルト教団が教祖を批判されたときに取る行動と酷似しています。文大統領が些細なことで彼らに親日的と判断されれば、その矛先は直接大統領に向けられるでしょう」(同)
逆に言えば、文大統領が日本への融和政策や対北朝鮮強硬路線に転換することは、99%あり得ないというわけだ。
何にでもヒートアップする国民性だが、自国の将来の進むべき道を誤らないよう冷静沈着に導いていくのが大統領の本懐ではないのか。支持層の“傀儡”となってどうする? 文在寅大統領どの。