梅津さんは昨年1月、太ももの腫瘍に悪性の疑いがあると宣告を受け、その後の検査結果で、皮膚がんの一種である悪性黒色腫が発覚して以来、闘病生活を送っていた。
「悪性黒色腫は、皮膚がんの中でも進行が早く、非常に致死率が高い。下手に切り取ると、そこから全身に転移することもあります。皮膚がんで他に頻度が高いものとしては、基底細胞がん、有棘細胞がん(扁平上皮がん)が挙げられます」(世田谷井上病院・井上毅一理事長)
基底細胞がんは、皮膚がんの中で一番頻度の高い腫瘍。中高年の顔面によく発生し、特に頬、眼瞼、外鼻などによく見られるという。転移することは非常に少ないものの、局所で浸潤し深部に広がる性質があるため、手術を受けず放置し、大きな腫瘍となって肺転移などで死亡するケースもある。
二番目に頻度が高いのが有棘細胞がんで、こちらも高齢者の顔面、四肢に発生しやすく、進行するとリンパ節に転移したり、肺や脳、肝臓にも転移する。皮膚の深部に進行すると、腫瘍の中央が潰瘍化して悪臭を発する。
「とりわけ、この季節は猛烈な紫外線が襲うシーズンです。紫外線は直接ヒトのDNAを破壊するため、日焼けによる皮膚がんの危険性はすでに指摘されているところ。基本的には、有色人種より白人の方がリスクが高いといわれています」(医療ライター)
しかし、地球環境の悪化で、その状況も徐々に変わりつつあるという。
「これから、のんびり日光浴を楽しむ人が増えますが、紫外線に無防備な人が多すぎる。オゾン層が破壊されるなど、環境汚染によって年々増える紫外線の量と共に、日本人の皮膚がん発生率は高まっているのです。日焼けはヤケドである、ということをしっかり認識することが重要です」(前出・井上理事長)
自己対策が重要だ。