えげつないブラックジョークだが、これはテレビ番組で実際に放映された企画だ。メインMCは、ロンドンブーツ1号2号・田村淳。
15年9月、おまけチャンネルBSスカパー!開局1周年記念番組として、『BSスカパー!って知ってますか!?』で放送された。同番組が翌16年4月、『田村淳の地上波ではダメ!絶対!』となってレギュラー化。当然、15歳未満視聴不可(R15+)の制限付きだ。
有料チャンネルとあって、地上波ほどの視聴者数や影響力はない。しかし今年5月、同番組の存在が一気に知れわたった。元KAT−TUN・田中聖が大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕されたからだ(翌6月に不起訴処分)。
田中は、16年7月に放映された“実録!芸能人覚せい剤抜き打ち検査”に、まさに抜き打ちで出演していたのだ。偽インタビューに応じる姿を隠しカメラでモニタリングされ、突然踏みこまれた淳に促されて、おまるに放尿。尿検査を受けている。元ジャニーズアイドルが局部を黒い横断幕や番組ロゴで隠されながら、おまるに用を足す姿は前代未聞だ。結果は、陰性。身の潔白が証明されただけに、のちの逮捕劇はショッキングだった。
地上波ではプラン会議にさえ上がらないアウトなネタを、真正面から検証、取材をするのが同番組のコンセプト。その対象はホームレス、性風俗、不倫、性のムダ知識、刺青、フェチ人間などアングラ系ばかり。
とかく、ドラッグ撲滅に向けては前向きで、淳も抜き打ちの尿検査に4度も応じている。その一方では、NG人間だけを集めた“女子アナ面接”で、6人中2人が偽陽性という結果が出るという番組史上最悪の事件も起こっている。陽性反応が出た原因は、違法薬物ではなく、睡眠薬と向精神薬、当日に飲んだ鼻炎薬。収録後に急きょ行った毛髪検査では、2人そろって陰性反応だった。
ドラッグでは、“実録!大麻の真実に迫る!クイズタイマショック”という恒例企画がある。アラフォーの昭和世代にはわかる、大人気クイズ番組『クイズタイムショック』(テレビ朝日系)をパロディ化したものだ。全問正解すると、タイ米(大麻い)がもらえる。
この第2弾に出てきたジャーナリストの石丸元章さんは、日本の薬物事情を知るためにみずからドラッグに手を染め、逮捕されている。驚くのは、依存回復プログラムがある病院に入院中、ASKAと2か月にわたって一緒に食事をする班だったことだ。病院食に対して「おいしくないですね」と話しかけると、「僕はそんなに苦になんないな」と対話したという。さらに同病院には、高相祐一もいた。酒井法子の元夫で、合計3回逮捕されたいわく付きの男である。
この回では、大麻に興味津々で質問しまくった淳だが、大麻に似た匂いがする合法商品を紹介する段になると、みずから嗅いでみせた。そして、「吸いたい〜!ホントのやつ」と叫ぶ始末。芸人ならでは、サービス精神に火がついた瞬間だった。
どエロ企画では、“アトゥシナイト”が好評だ。こちらは、『トゥナイト』(テレ朝系)のパロディ。山本晋也監督に扮した淳カントクが、『トゥナイト』世代にはたまらない最新風俗にガチ潜入をする。同行するアシスタントはほぼ、AKB姉妹グループだ。
元SKE48の佐藤聖羅は、M男性に向けた格闘技系デリバリーヘルスに潜入。番組の青木ディレクターがリアルにM格闘コースを体験する様子を、モニタリングしている。ちなみにこの佐藤は、NON STYLE・井上裕介の元カノだ。
この企画で盤石の地位を築いたのは、元NMB48の山田菜々。“大人の課外授業”の回では、疑似フェラ顔をカメラに向かって決めて見せ、ネット住人をざわつかせた。そんな山田は、ストレッチと融合した風俗、男子力(SEXのやり方)検定をしてくれる風俗、催眠術で疑似SEX体験、浅草のストリップ劇場などをウォッチング。女性アイドルが頬を赤らめる姿を拝めるのも、醍醐味だ。
淳はさかんに言う、「僕はSですから」と。しかし、番組を通じて、人の数だけセクシャリティがあることを知った今は、Mという禁断の扉を開けることもなくはない!?
(伊藤雅奈子)