本作は韓国ドラマのリメイク版であり、法医学者たちが解剖を通して、事件の謎を解き明かしていくというストーリーだ。第2話では、歌手の首つり遺体を「自殺」と決めつけた「日本法医学研究院」の新院長・伊達明義(仲村トオル)に異議を唱えた主人公、柚木貴志(大森南朋)が埼玉中央医科大学に飛ばされ、その後、柚木を追ってきた新人解剖医の中園景(飯豊まりえ)と共に、次々と発見される首つり遺体の謎に迫っていく――という展開になっていた。
本作では、舞台である埼玉の扱われ方について、非難の声が挙がっている。第2話では、「埼玉県は解剖率が低くて、死因が特定されにくい」という発言があり、さらに埼玉県内で連続首つり事件が起きているのにも関わらず、埼玉県警察が動く様子も描かれていない。柚木の左遷先である「埼玉中央医科大学」には、紫外線ライトがなかったり、パートの解剖医助手が「ここはお金がなくてね、昔は柳葉包丁で解剖していたのよ」という発言もあった。
視聴者からは「柚木先生(大森)が中園(飯豊)に言った『埼玉で解剖室の掃除でもしてろ』とかいうセリフよ…。映画の『翔んで埼玉』かってくらい、埼玉ディスるじゃん」「埼玉県には警察がいないのか?何で事件性があるのに動かないの?」「病院に道具がないとか、解剖率が低くて事件多発とか、埼玉県がヤバい県っていうレッテル貼られまくってて、怒りしか感じない」と埼玉県の扱われ方に対する不満の声が挙がっている。
「警視庁刑事局捜査第一課が平成24年に報告した『都道府県別の死体取扱状況』によれば、埼玉県の解剖率は4.7%、東京都の18.2%と比べると、かなり差があります。しかし、解剖率ワースト1位は広島県の2.0%で、埼玉県はワースト12位。解剖率は低いものの、ワースト1位でもない埼玉県が『解剖率が特に低い県』として取り上げられることに、違和感を覚える人も多かったようです。ただ、ストーリー上、主な舞台である東京都から移動しやすい埼玉県に設定したのでしょう。
しかし、埼玉県の解剖が全て辺ぴで道具も少ない埼玉中央医科大学で行われているという設定や、首つり遺体が連続で発見されていても、警察は動かず、なぜか法医学者の柚木たちがまるで刑事のように捜査を始めるという展開に、『埼玉の死体解剖がこの廃れた病院だけって…ありえないでしょ』『柚木は刑事にでもなったの?』という声も寄せられています。埼玉県の治安に対する偏見を呼ぶ描写や、無理のある展開が描かれた今、視聴率を保つのは難しいでしょう」(ドラマライター)
8月1日放送予定の第3話では、柚木たちが暴力団員の射殺事件の謎を解き明かすという展開になっている。果たして、第2話で下がってしまった評価を取り戻すことができるのだろうか?今後の展開に注目したい。
警視庁刑事局捜査第一課「都道府県別の死体取り扱い状況(平成24年)」
https://www8.cao.go.jp/kyuumei/investigative/20130218/siryou2.pdf