「昨秋、育成枠で中日に指名された東海大相模の佐藤雄偉知投手が入団を拒否し、社会人のHONDA鈴鹿に入りました。原監督が落合GMを牽制したとも見ることができる」(前出・スポーツ紙記者)
また、こんな情報も聞こえてくる。
「原監督はヘタなスカウトよりもアマチュア球児の情報を持っています。毎オフ、原監督の兄貴分で、東海大野球部の先輩にもあたる国際武道大学の岩井美樹監督を囲むコンペが開かれます。そのコンペには日本中に散らばった東海大グループ校の高校指導者、中学クラブチーム指導者が集まり、情報交換をしていますからね」(アマチュア球界要人)
蛇足だが、横浜高校の渡辺元智前監督の後継者に、国際武道大卒の平田徹部長が選ばれた。今後、名門・横浜高校は事実上の東海大グループとなり、原監督の情報網はさらに広まったとみていい。
「菅野は'14〜'15年オフ、自主トレに大田泰示と松本竜也を誘いました。大田は7年目、松本は4年目。ともに1位で入団したものの、伸び悩んでいます。プロ入りでは先輩でも、年齢的に後輩である2人の面倒を見たのは『原監督の指示』だったようですね。伸び悩んでいる2人を何とかしてくれ、と。大田は東海大相模の出身であり、原監督の期待も高い」(前出・ベテラン記者)
大田は、それまで阿部慎之助と自主トレを行ってきた。しかし、阿部が「自分で考えてやってみろ!」と“愛情”で突き放した。'13〜'14年オフは1人で頑張ってみたものの、むしろ逆効果だった。そこに救いの手を差し伸べたのが菅野で自ずと発言力を増したという。
「菅野は都内にマンションを購入。チームの主将・坂本勇人とはご近所で、酒に強い菅野が坂本を介抱することも多く、野手陣との信頼関係も構築されている」(前出・ベテラン記者)
エース菅野を引き止め、ドラフト戦略を有利に進めるには「原監督の残留」が最良というわけだ。原監督が、東海大派閥を利用したイスラム国のような戦略をとった場合、巨人フロントは対応する手段がない。
「勝てない理由は長期政権によるマンネリ化」だと指摘する声もあるが、原監督はチーム内で絶大な影響力を持つ存在になっている。
エースとドラフト1位候補を“人質”にされ、フロントも4度目の続投要請をせざるを得ないようだ。